Steel Panters World War 2 JAPANESE HQ
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Royal Army HQ / Militia HQ / Yugoslav HQ (ユーゴスラビア)
SS Lovesz (ハンガリー)
First SSF (アメリカ)
US Constabulary (アメリカ)
Wild Tiger (タイ)
Kings Own (タイ)
バルカン半島を巡るユーゴスラビアの歴史は非常に複雑で す。
ゲームでは1930年から1946年の間に、ユーゴスラビアは司令部が3度変わります。
その最初の司令部が「Royal Army HQ」
これは「ユーゴスラビア王国」の司令部です。
ユーゴスラビア王国はバルカン半島から西ヨーロッパを地域とし、1918年に誕生しました。
スロベニア、クロアチア、 ボスニア・ヘルツェゴビナ、ヴォイヴォディナ、セルビア、モンテネグロ(他にコソボ、ヴァルダル・マケドニア)の国々が統合してできた国です。
ニュースで耳にしたことがある国もありますよね
いくつかの国は1990年以降、再び独立しました。
ユーゴスラビア王国は、1941年にドイツと同盟を結びますが、軍によるクーデターで政権は崩壊。
その後、新政権はドイツとの同盟を明確にしたものの、4月6日、ドイツ軍によるバルカン侵攻が始まります。
そして1941年4月17日、降伏。
(あっという間に降伏)
ユーゴスラビア王国政府はイギリスへと亡命します。
ユーゴスラビアを占領したドイツは領土を解体し、ハンガリーやイタリア、ブルガリアにその領土を割譲しました。
そして首都ベオグラードがあるセルビア地域にドイツ軍の傀儡政権である「セルビア救国政府」を樹立しました。
ゲームでは「Militia HQ」です。
このときにドイツ軍に対して頑強に抵抗したのがチトー率いるパルチザンです。
チトーの抵抗運動は次第に力を増し、ユーゴスラビアを解放していきました。
そしてソ連軍の力を借りず自力で、ユーゴスラビア連邦人民共和国を成立しました。
ゲームでは、「Royal Army HQ」は1930年1月〜1941年4月まで
この期間の基本経験値は60、士気 値55
傀儡政権のセルビア救国政府」である「Militia Army HQ」は1941年〜1944年12月まで
この期間の基本経験値60、士気値60
その後の「Yugoslavia HQ」は1945年1月〜1946年12月
この期間の基本経験値70、士気値65
ハンガリーに登場する歩兵ユニットには、SS部隊も登場 します。
ハンガリー語で「SS Lovesz」とありますが、「Lovesz」は射撃という意味であり、直訳すると「射撃部隊」になりますが、なんとなくニュアンスで感じでください。
ドイツ軍の「SS武装親衛隊師団」にはハンガリー人で構成された師団がいくつもありました。
第22義勇騎兵師団 「マリア・テレジア」(1944年4月〜1945年2月)
第25SS武装擲弾兵師団 「第1ハンガリアン」(1944年11月〜1945年5月)
第26SS武装擲弾兵師団 「第2ハンガリアン」(1944年12月〜1945年5月)
第33SS武装擲弾兵師団 「第3ハンガリアン」(1944年12月〜1945年1月)
第37義勇騎兵師団 「リュッツォウ」(1945年2月〜1945年5月)
第22義勇騎兵師団はご存知の方も多いでしょう。
第8SS騎兵師団「フロリアン・ガイエル」から引き抜いた1個中隊に、ドイツ系ハンガリー人の徴集兵で構成された師団で、中級第14弾で紹介したアラドの戦闘にも参加しましたが、ソ連軍の包囲網から最後に生還して ドイツ軍にたどり着いたのはわずか48名に過ぎませんでした。
その後、ブダペスト攻防戦に向けて、再び兵員が増強されまし たが、ブダペストはソ連軍に包囲され師団は壊滅、脱出できたのは2000名中、700名でした。
生き残った兵士は、第37義勇騎兵師団に編入されました。
第25SS武装擲弾兵師団は、ハンガリー王立軍のスキー大隊が中核となって構成されました。
この師団は1945年2月、ソ連軍の進撃によりオーストリアに退却、その後は、アメリカ軍と交戦をしたものの、2日後の5月3日に降伏しています。
第26SS武装擲弾兵師団は、ハンガリー王立軍の兵士 8000名とハンガリー人の徴集兵5000名から構成されていました。
1945年のソ連軍の大攻勢「オーデル・ナイセの戦い」で、ドイツ第9軍と共に戦いましたが、2500名の死傷者を出しました。
その後、オーストリアまで退却し、5月3日、米軍に降伏 しています。
第33武装擲 弾兵師団は、ハンガリー人の義勇兵から構成されましたが、中身はわずか1個連隊ほどの戦力しかなく、到底、師団と呼べるほどの戦力ではなかったようです。
(しかも第33というのは、あの第33武装擲弾兵師団 「シャルルマーニュ」が有名であり、第33が重なること自体がおかしい)
最後の第37義勇騎兵師団は、第22義勇騎兵師団の残存兵、その他はハンガリー・ユーゴスラビアのドイツ系義勇兵で構成。
この師団は、「アマイザー戦闘団」と「カイテル戦闘団」が編成され、それぞれソ連軍との防衛戦を繰り広げ、最後は米軍に投降しています。
ゲームに登場するユニットは、 購入年月から判断すると、
第25SS武装擲弾兵師団
第26SS武装擲弾兵師団
第33SS武装擲弾兵師団
だと思います。
いずれも購入年月は、 1944年10月〜1945年5月
経験値が+3、士気値が+11
これはドイツ軍の親衛隊と同じです。
(画像はブダペスト市内で戦うハンガリーSS兵士です)
「First SSF」とは、「The 1st Special Force」の略であり、一般的にはコマンド部隊です。
1942年にアメリ カとカナダから志願兵を募集し、集まった1800名の木こりや森林レンジャー員、ハンターなどのメンバーを特別に訓練しエリート兵に育てました。
彼らは白兵戦や水陸両用作戦はもちろん、爆発物の取り扱い、パラシュート、ロッククライミング、山岳戦、スキー部隊など全てのスペシャリストでもありました。
後にドイツ将校の日記から、ドイツ兵は顔を黒く塗り、姿を消し、闇夜の中でドイツ軍陣地をかく乱した彼らのことを「黒い悪魔」(Black Devils)と名づけていたことが分かったことで、彼らの名が知れ渡ることにもなりました。
1943年8月、日本軍のいるキスカ島に上陸する予定でしたが、日本軍は「キスカ島撤退作戦」により、奇跡の撤退をした後であったため、「FSSF」も引き揚げました。
1943年11月、イタリアに到着。
その後、アメリカ第36師団と 共に冬山の「モンテラの戦い」でドイツ軍と激しい戦いをしました。
「FSSF」は山岳戦の特殊訓練を受けた部隊でありましたが、77%の死傷率を出しながらも、ドイツ軍に勝利しました。
このモンテラの戦いを舞台にし、「FSSF」の活躍を描いた映画が「コマンド戦略」(1968年)です。
その後、1944年1月「アンツィオの戦い」に参加。
1944年8月、「ドラグーン作戦」で南フランスのイエール島に上陸。
12月に部隊は解散しています。
この「FSSF」が日本ではあまり知名度が高くないのは、イタリア戦線のせいかもしれませんw (冗談ですが)
アメリカでは、この部隊の訓練施設や経験が生かされていき、後の米国陸軍特殊部隊(グリーンベレー)へとつながっていきます。
なお、この部隊のみ武器に「3 Bars」とあるが、
購入は1943年7月〜1944年12月までの間、アメリカ軍の[Infantry]で購入可能。
経験値、士気値が共に+15
コンスタブラリー(警察隊)はヨーロッパにおけるアメリカ軍の占領国における治安部隊です。
アメリカは戦後の1945年秋、西ドイツとオーストリアの国境警備や治安維持のために、軍警察の編成をしました。
そして機械化騎兵部隊による組織が作られ、道路、国境のパトロールや警備、犯罪の防止などの任務がありました。
ドイツが独自の警察を組織した後、この治安部隊は1952年に解散しています。
経験値・士気値共に+5
ゲームには騎兵部隊として、馬に騎乗して登場します。
1945年10月〜1946年12月
「Wild Tiger Corps」はタイ国の軍隊です。
1911年、当時の国王だった「ラーマ6世」が作った部隊。
タイという国は歴史そのものが王朝であり、現在もチャクリー王朝という王朝が存続しています。
そのチャクリー王朝は、1782年に起こされました。
ラーマ6世は、1910年に即位、王朝としては初のイギリス留学をした王です。
それまでのタイは中国とのつながりが深かったのですが、このラーマ6世はそれに反対、逆に西洋に倣い、義務教育を作ったり、多妻制を廃したり、国連に参加したり、そのほかにも様々な改革を行い近代化を行いました。
ラーマ6世はタイにボーイスカウトを創設しましたが、そのボーイスカウト関連の組織が「スアパー」(Wild Tiger)と呼ばれる部隊です。
1911年に4000名の部隊が結成されました。
しかしタイには正規軍があり、スアパーは非正規軍でありながら右翼組織の自警団としての色が強く、正規軍とは対立していました。
スアパーは1912年に起こったクーデター未遂事件の後、解散しましたが、ゲームでは1930年から1946年まで登場します。
1941年1月以降に登場する部隊は、第1火器が「Type 38 Arisaka」というライフル銃を携帯しています。
このライフル銃は、有坂成章大佐により設計された「三八式歩兵銃」のことであり、欧米ではこの銃のことを「Arisaka rifle」と呼ばれています。
経験値は-10だが、士気値は+20と差が激しい。
購入は1930年1月〜1946年12月まで
こちらのユニットは、タイの「King's Own」、すなわち「近衛兵」
「King's Own」と言えばイギリスが有名ですが、タイではラーマ6世が国王だった頃、西洋の近代化が始まり、イギリスの影響を大きく受けました。
画像でもお分かりですが似てますよね。
英語的には「Royal Guard」とも言うので、そうなると親衛隊なのかと思いましたが、タイにはそのような部隊はありませんでした。
1933年までは、一般的な行事などのセレモニーやパレードのときの兵だったのですが、戦時下では国王の宮殿のあるバンコクの守備隊として配備されていたそうです。
ただし、実際に戦闘には参加していません。
ゲームではエリート部隊として登場します。
購入画面では[KO]と表記された部隊で、一般歩兵から工兵、海兵、騎兵など様々な部隊があります。
経験値+3、士気値が+8
1930年1月〜1946年12月まで購入可能