Steel Panthers World War 2   JAPANESE  HQ

処方箋 映画編 [1]

戦争のはらわた」(1977年 イギリス・西ドイツ合作)


プライベートライアンの衝撃もありましたが、自分の中でのベスト戦争映画はやはりこれです。

この映画を初めて見たときの衝撃は忘れられません。

原題は「Cross of Iron」、鉄十字章のことです。

監督はサム・ペキンパー、主演ジェームズ・コバーン。

設定は1943年2月〜10月まで行われたタバン半島クバン(クバーニ)での戦い。

クバン橋頭堡と言われますが、スターリングラードの戦況に伴い、ドイツ軍は後退を余儀なくされていく中、クバン橋頭堡は撤退が許されず、孤軍奮闘の戦いとなりました。

最終的には10月に撤退しましたが、約60日間、この橋頭堡を守り抜いた約10万名の兵士には「クバン盾章」という勲章が与えられました。

以前、ユニットガイドの中でも少し紹介していますのでこちら参考にしてください。

一応、「戦争のはらわた2」という続編が作られましたが、こちらは見てませんwww

お薦め度:★★★★★


「プライベートライアン」(1998年 アメリカ)


スピルバーグ製作のあまりにも有名な名作。

いまだにこの映画を超える戦争映画はないのではないでしょうか。

わたしも多分、回数的には一番見ている戦争映画だと思います。

序盤のオマハビーチ上陸シーンはめちゃ衝撃的でした。

内臓が飛び出たり、腕や足が吹っ飛んだりで、それまでそんなリアルな戦争映画は見たことがありませんでした。

また兵器考証もよくできており、本物そっくりのティーゲルが出てきたりして、それだけでも「すげー」となりました。

他にもいろいろ見どころ満載で、語り尽くせないですが、この映画を映画館で見れたことは本当にラッキーでした。

時代設定は1944年6月6日、オマハビーチから上陸しますが、その後は具体的な戦場は出てきません。

お薦め度:★★★★★


「バンド・オブ・ブラザース」(2001年 アメリカテレビドラマ)

鉄板中の鉄板。

これもスピルバーグによる製作です。

全10話、これでドラマなの?と思えるほど完成度の高い素晴らしい作品です。

設定は米第101空挺師団の第506歩兵連隊第2大隊E中隊の戦いを描いています。

ちなみにプライベートライアンでマットデイモン演じるライアン一等兵は、この第101空挺師団所属です。

ノルマンディー降下、シェルブールの戦い(カランタン占領)、マーケットガーデン作戦でのアイントホーフェン、バストーニュでのバルジの戦いと戦場を駆け巡ります。

戦闘シーンとしては、あそことあそこ(皆さんと同じ)が印象的ですが、戦闘シーン意外でも作りこんであり、何度も見返してしまいます。

お薦め度:★★★★★


「ザ・パシフィック」(2010年 アメリカテレビドラマ)

こちらも製作はスピルバーグですが、トム・ハンクスも担当しています。

バンド・オブ・ブラザースとどっちが好きかと言えば、わたしはこちらの方が好きです。

米第一海兵師団の活躍を描いたものですが、それまで想像していた海兵隊の戦い、および日本軍の戦いぶりは想像を遥かに超えた衝撃的な映像でした。

設定はガダルカナルの戦いペリリューの戦い硫黄島の戦い沖縄の戦いと、3名の主人公が入れ替わり登場します。

その中でもペリリュー島の戦いは凄まじいものでした。

このドラマで海兵隊の中隊長が描かれていますが、ゲームの中の指揮系統としての中隊長ではなく、戦場での中隊長はゲームとは比べ物にならないくらい重要な存在であり、中隊長の死が戦意にまで関わるものであることを知りました。

お薦め度:★★★★★


父親たちの星条旗 (2006年 アメリカ)


クリント・イーストウッド監督の作品。

同時期に「硫黄島からの手紙」も公開されましたが、こちらの方が2ヶ月ほど早く上映されました。

硫黄島の戦いをリアルに描いた作品で当時、映画館で観ましたが上陸の場面は本当に迫力がありました。

スピルバーグの作品もクリントイーストウッドの作品も徹底的に時代考証をしていているので感心してしまいます。

こちらの作品は米海兵隊側から見た硫黄島の戦いを描いており、上陸から摺鉢山の戦いまでとなっています。

お薦め度:★★★★★


硫黄島からの手紙 (2006年 アメリカ)


こちらもクリント・イーストウッドの製作。

硫黄島の戦いを日本軍側から描いています。

そのためほとんどが日本語のセリフになっていて、しかもその日本語が日本人が聴いてもパーフェクトな日本語です。

硫黄島からの生還者がわずか数名しかいないため、日本側では硫黄島の戦いの詳細は戦後もはっきりしていません。

硫黄島での日本軍の戦いがどれくらい事実に近いのかは知るよしもありませんが、アメリカ映画でここまで描くというのは正直驚きです。

「父親たちの星条旗」と「硫黄島からの手紙」は是非とも見てほしい作品です。

お薦め度:★★★★★


FURY (2014年 アメリカ)

この映画で本物のティーゲルを使用したということもあり、予告を見たときは驚きでした。

しかし主演にブラッド・ピットが出ているので、大体のあらすじは予想できてはいましたが、それでも見終わった後はモヤモヤ感が正直ありました。

ティーゲルがやられた後の内容はあまり記憶にありません(汗)

いい悪いは別として、PCゲーム「ワールド・オブ・タンクス」で戦車対戦車というジャンルが人気になっていて、その影響もあったのかと思われます。

設定は1945年4月の米第2機甲師団ということなので、ドイツ国内のどこかになります。

映画のあらすじより、世界で唯一の稼動する本物のティーゲルが見れただけでお腹一杯なんですけどね。

お薦め度:★★★★☆


ハクソーリッジ (2016年 アメリカ)


メル・ギブソンが監督をした作品。

映画館で観ましたが前半はきつかったw

ようやく始まったかと思いきや、凄まじい殺戮戦でした。

わたしは映画館で観たこの一度きりで、その後は見返していません。

設定は1945年4月26日の沖縄の前田高地(米軍名:ハクソーリッジ)での戦いになります。

詳細はこちらのサイトから。

この陣地を巡って3週間の戦いが繰り広げられました。

米軍が登った崖や戦場の描写は多少、大げさに描写されていますが、それを差し引いても十分見ごたえのある映画でした。

お薦め度:★★★☆


遠すぎた橋 (1977年 イギリス・アメリカ合作)


1977年に公開された戦争映画「遠すぎた橋」

当時、製作費90億円という莫大な費用が話題になりました。

そして登場する戦車や装甲車は本物を使用したというのも話題でした。

この映画を映画館で観ることができませんでしたが、今でもDVDで時々観るほど好きな映画です。

ショーン・コネリー、ジーンハックマン、ロバート・レッドフォード、ジェームズ・カーン、エドワードフォックスなどなど出演している俳優が贅沢すぎて、製作費は出演料にほとんど取られたんじゃないのと思ってしまうほどです。

原作はコーネリアス・ライアンの「遥かなる橋」で、1944年9月に行われた連合軍の「マーケットガーデン作戦」が描かれています。

マーケットガーデン作戦は連合軍の失敗に終わりますが、アルンヘム(アーネム)の橋を巡り、ドイツ軍第9、第10SS装甲師団とイギリス空挺部隊との戦いはやはり最大の見せ場です。

またなんと言っても、この映画はサウンドトラックがカッコいい!

今でも調子こいているときは、たまに口ずさみます。

またアバロンヒルから発売されたボードゲーム「アルンヘム強襲」をプレイするのにも助けとなりました。

お薦め度:★★★★


ナバロンの要塞 (1961年 イギリス・アメリカ合作)

1961年に作られた名作「ナバロンの要塞」

この映画が初めてみた戦争映画でしたが、そのときの興奮は忘れられません。

昔の戦争映画は潜入、冒険、スリルなどがありアクション映画としても楽しめました。

グレゴリー・ペック、アンソニークインなど大御所が出ています。

設定は1943年、ギリシャのナバロン島にドイツ軍が設置した2門の要塞砲をイギリスの精鋭部隊が潜入、そして破壊するもの。

原作はアリステア・マクリーンの「ナバロンの要塞」で、早川書房の早川文庫から昔は出ていて、これも買いました。

画像が荒く、今見ると見にくさを感じてしまいますが、それでも名作です。

リメイクして欲しい映画の一つです。

お薦め度:★★★☆


ナバロンの嵐  (1978年 イギリス・アメリカ合作)

ナバロンの要塞の続編

1978年に日本でも公開され、わたしも映画館へ見に行きました。

スターウォーズで有名になったばかりのハリソン・フォードが出ています。

設定はナバロンの要塞からすぐの1943年。

場所はユーゴスラビア、ドイツ軍に包囲されたパルチザンをイギリス・アメリカの特殊部隊が救出するもの。

映画の内容よりも本物のT34/85を初めて見たことだけが記憶に残っていますw

お薦め度:★★★☆


レマゲン鉄橋 (1969年 アメリカ)


1969年のレマゲン鉄橋

これも古い映画です。

古い映画はたいていアメリカ兵が強いです。

わたしはテレビで見た記憶がありますが、数年前にDVDで見返したら、これがなかなかよくできた映画でした。

そのときの感想はこちら

1945年3月のライン川にかかるルーデンドルフ橋(レマゲン鉄橋)を巡る戦いです。

ドイツ軍もボロボロなんですね、それがよ〜く分かる映画です。

お薦め度:★★★


戦場にかける橋 (1957年 英・米合作)


「戦場にかける橋」は映画史に残る名作です。

まだ観たことがないという方は是非観ましょう。

ウィリアム・ホールデン、アレック・ギネスが出演し、第30回アカデミー賞を受賞しています。

ひと昔前は誰もが知っている映画でした。

映画を観ていなくてもクワイ河のマーチは聴いたことがあるでしょう。

イギリス軍捕虜に対しての扱いが非人道的だったとよく言われますが、イギリス側の気持ちも分かるし、日本側の気持ちも分かったりします。

タイのクウェー川にかけた橋はほぼ実話です。

お薦め度:★★★☆


ウインドトーカーズ (2002年 アメリカ)

ニコラス・ケイジ主演の戦争映画

太平洋戦争の海兵隊所属のコードトーカーというナバホ族の活躍を描いた内容ですが、それよりも戦闘シーンの方が目立った映画でした。

1943年のソロモン諸島上陸、1944年のサイパン上陸のシーンが描かれていますが、どれも迫力ある戦闘シーンでなかなか楽しめます。

中でも日本兵が擲弾筒を発射するシーンで、その威力がすさまじいのにはやりすぎ感がありましたが、映画で擲弾筒を使用するシーンは初めてではないでしょうか。

日本人から見て、映画の日本兵はかなり善戦しているので、きちんと見れる映画です。

お薦め度:★★★★


スターリングラード (2001年 アメリカ・ドイツ・イギリス・アイルランド合作)


有名なスターリングラードを扱った映画です。

当時、映画館で観た記憶がなく、DVDで観たと思いますが、それでもこの映画のことがさっぱり思い出せないので、あらためて観てみました。

思い出せないのには訳がありました。

途中から恋愛ものになっていて、完全に冷めたんだと思います。

冒頭のシーンも従軍ロシア兵がこの映画を観て、「さすがにここまで醜くなかった」という証言をしている話が脳裏にちらつき、もしかして最初から冷めていたのかもしれません。

ただドイツ兵のスナイパー役のエド・ハリスは渋かった!

お薦め度:★★



ウィンター・ウォー (1989年 フィンランド)

フィンランドで作られた冬戦争を描いた映画です。

3時間を超える超大作です。

1989年に製作されているのでCGは使われていません。

英雄ものとかヒーローものではなく、小国フィンランドの戦いがそのまま描かれています。

ソ連のT-26軽戦車が出てきますが、史実通り簡単に撃破されています。

その他にも見どころは多く、戦闘シーンだけでなく、武器・兵器などもこだわっています。

スオミ短機関銃の射撃音は、SPWAWを思い出します。

冬戦争の背景を知ってから見た方が絶対いいので、見る前に簡単に学んでおくことをお薦めします。

お薦め度:★★★★



ソ連国境 15歳の夏 (2015年 日本)

2015年に作られた日本映画

俳優の夏八木勲さんが出演されていますが、夏八木さんは2013年に亡くなっているので、それより前に撮影しているものと思われます。

何気に見た映画でしたが、涙涙の映画でした。

1945年8月のソ連との戦いは以前、シナリオガイドでも書きましたが、そのとき戦記本をいくつか読んでいたので、それがこの映画を観るのに助けとなりました。

映画でのソ連国境は牡丹江のことで、ここは牡丹江の戦いがあったところです。

まさか満州の、牡丹江の、こんな映画があったとは知りませんでした。

お薦め度:★★★★


ワンス・アンド・フォーエバー  (2002年 アメリカ映画)

メルギブソン主演。

ベトナム戦争を描いた作品ですが、どうしても紹介しておきたい映画だったので取り上げました。

あたくしこの映画を今まで見ていなくて、さきほど見ましたが、ここ数年で見たどんな戦争映画よりもよかったです。

1965年11月にアメリカが初めてベトナム軍と戦った戦闘「イア・ドラン渓谷の戦い」の実話が描かれています。

(イア・ドラン渓谷の戦いについては日本語のwikiはあっさりとしか書かれていませんので英語版のリンクにしました)

YouTubeで断片的にあがっていますが、映画として見た方が絶対いいです。

戦場での部隊を率いる指揮官(大佐)がどうあるべきか、これほどリアルに描いた映画ってそんなにありません。

SPWW2をプレイした人なら、「すごいなー」と妙に納得してしまいます。

映画の中でも「あなたがやられたら大隊が全滅してしまう」というセリフがありますが、それほどの存在です。

そして米軍の無線での命令、指揮系統もすごい。

こんなふうに砲撃要請するのかと感心してしまいます。

前半30分を乗り切ると、お薦めの一本になりますw

★★★★★



デンジャー・クロース (2019年 オーストラリア)

ベトナム戦争に参加したオーストラリア軍を描いた映画です。

1966年8月18日のロングタンの戦いです。

ベトナム戦争の映画はいろいろありますが、アメリカ映画の退廃的な感じがなくて、これは見やすいです。

この映画を観る前に、地獄の黙示録の完全版を見ましたが、同じベトナム戦争かと思うほどでした。

この戦いは北ベトナム軍がオーストラリア軍を包囲するという戦いです。

結果は双方が勝利を主張しており、判定は難しいものとされています。

北ベトナム軍は2000名(オーストラリア軍の推定)、オーストラリア軍はわずか1個中隊の108名という圧倒的な状況。

映画ではかなりやられた感じがしますが、実際は18名が死亡、24名が負傷でした。

この映画を観て、先日紹介したシナリオ#004を思い出します。

ソ連軍に包囲されたスウェーデン義勇部隊ですが、わずか3名しか死傷していません。

どうやって戦ったのかと思っていましたが、この映画を観て、北ベトナム軍とソ連軍が重なって見えました。

お薦め度:★★★★


上海陸戦隊 (1939年 日本)

1939年に公開された日本の戦争映画。

第二次上海事変での激戦の凄まじさが伝わってきます。

登場する武器、機関銃や戦車は本物だけあって、これだけでも一見の価値があります。

日本の映画史上最高の戦争映画だとコメントにありますが、たしかにすごくよく出来ています。

タイトルにもなっている上海陸戦隊は、「上海海軍陸戦隊」というエリート部隊で、米軍で言えば海兵隊のような部隊です。

しかしこんな古い映画が2006年になってDVD化されたということにも驚きです。

お薦め度:★★