Steel Panters World War 2   JAPANESE  HQ

12 < 3 <4

新domo戦記1 「Battle of  Rostov」 (3)

 【10ターン】

ソ連軍指揮官の悩みは部隊の回復だそうだ。

そうだろう。

精鋭部隊を除く歩兵部隊は一度抑圧が上がると、ゲームの序盤であっても抑圧の回復に失敗する事態に遭遇する。

ドイツ軍ではあり得ないほどの回復成功率の低さにプレーヤーは自らの士気をくじかれるが、しまいにはもう期待もしなくなるのだが・・

ドイツ軍に戦車以外で初の歩兵部隊の壊滅が出た。
それもブランデンブルグ分隊だ。

精鋭部隊は粘り強いのだが、それが却ってアダになることがある。

普通の歩兵であれば、分隊に損害が出れば、後退もしくは退却をするのだが、精鋭部隊は退却をしない傾向がある。

先ほどのソ連軍の精鋭部隊しかり、 今回のブランデンブルグ部隊もしかりである。

だからってどうすることもできない。

戦況は完全に消耗戦を呈している。

一つ一つの拠点を潰すのに損害が続出しているのだ。

だが 「クレムリン宮殿」の建物から反撃していたソ連軍のライフル歩兵がついに退却した。

これはNINO小隊のおかげだ。
だがそのNINO小隊も死傷者が10名に増えている。

「大丈夫か・・」

小隊の死傷者は10名にもかかわらず、 NINO小隊長の分隊は誰も死傷者がでていない。

「さすがだ」

まだまだ辛抱が続きそうだ。

【11ターン】

ター ンのはじめの砲撃が一斉に南の「FACTORY」に注がれた。
10cm迫撃砲、12cm迫撃砲の砲弾が重々しく建物を崩壊させていく。

ドイツ軍は今回は弾薬補給を購入していない。

その理由はターン中盤からは接近戦になるであろうと見込んでおり、 接近戦になれば敵だけでなく味方へも砲撃が命中することになるので、弾薬はそれまでに使い切るというつもりで砲撃を休みなく要請している。

ソ連軍司令官は煙幕をうまく使い出した。

守る側が煙幕を使うという場合は、 有効に使えば射撃後に姿を消すことができるし、また射撃後に移動する場合にはさらに有効になる。

ソ連軍も次第に戦場の地形を自分たちにとってうまく利用していっているような感じが漂う。

というのもこのターンにソ連軍はほぼ視界に入っておらず、 煙幕を使用し姿を消したか、あるいは視界を消して待ち伏せをしているのだろう。

「KIA戦車長」

突然、 砲手に呼ばれKIA戦車長はハッと我に返った。

KIA戦車長の乗る3号突撃砲は地雷を踏んで移動不能になっていたが、 電気系統はまだ生きており、わずかに動かせる主砲を左右に動かしながら主砲あるいは機銃を撃ちブランデンブルグ隊を応戦していた。

だがそれは砲手や無線手のする仕事で、KIA戦車長はもっぱらすることもないため、うとうととうたた寝をしていたのである。

「どうします?このままこうやって戦いますか?」

砲手が鼻くそをほじくりながら尋ねた。
KIA戦車長はハッチを開け、 上半身を外に出した。

そして大きくあくびをしながら、眠たそうな目をこすった。

「なんだ、 まだ終わってないのか」

そう言いながらKIA戦車長は突然ひょいっと戦車から体を出し、 そのまま外へ降りてしまった。

「どこに行くんですか!」

返事もせずにスタスタと道路を歩いていくKIA戦車長。

どこへ行くつもりなんだと車内から不思議そうに見つめる乗員たち。

しばらくするとKIA戦車長ではない別の戦車長が車内に入ってきて何かぶつぶつ言っている。。

なんでもKIA戦車長 が来て自分がこの車両を指揮すると別のもう一台の3突に乗り移ったそうだ。

(これによりKIA001号車は戦車長 をSteinerからKIAに交代する)

そして先ほど一斉砲撃を行った「FACTORY」に突撃が再度開始された。

建物の正面にはT34が番犬のようにこちらをにらんでいる。

一番外側から歩兵が道路を前進した。

機関銃で撃ってきた。

持ちこたえた。

すかさず煙幕を張る。

よしこれで後続が工場に接近できるようになった。

H小隊の分隊が工場の中へ急ぐ。

「敵発見!!」

やはり砲撃が利いているようだ。
反撃をしてこない。

こうなればこちらのもの、難なく退ける。

続いて4号戦車が敵陣を突破して応援に駆けつけた。

もちろんあの番犬を始末するためだ。

「ようし!形勢逆転だ」

と思ったがそんなにうまくはいかない。

2台の4号戦車が放った砲弾はT34を撃破することはできなかったのだ。

死傷者数:ついに100名に到達した・・・・・orz

【ソ連の11ターン】

何が起こったのか?!

と思わざるを得ないソ連軍のターンの再生であった。

なんと2台のソ連軍戦車が新たに炎をあげていた。

「ど、どうなっている?」

一台は「FACTORY」で先ほど撃ち漏らしたT34で、どうやらターンの終了時に自動退却したところを歩兵部隊に近接強襲されたらしい。

「誰がやった?」

T34を仕留めた歩兵部隊が気になる。

「T34一台撃破!」

NINO 小隊から報告が入った。

それもNINO小隊長が自ら撃破したらしい。

nino

(こらは全く幸運な戦果としか言いようがありません。自動退却したところにたまたまそこにいたNINO隊が撃破したわけですから)

そしてもう一つは敵のT28戦車を撃破 したことだ。

先ほどこちらのsIG33を撃破したやつに間違いなかった。

後方の建物の陰に隠れていたが、味方の応援に出ようとしたところなのだろう。

出会い頭にこちらの3突から狙い撃ちされたのだ。

「T28撃破!」

KIA戦車長が威勢よく報告してきた。

なんと、KIA戦車長は別の車体に移ったばかりなのに、すぐさま敵を撃破したのか。

まじでこんなことがあっていいのか!

お前らどうかしてるぞ!

kia
【12ターン】

12ターンの攻防の長い長いリプレイが終わった。
延々と5分以上はあっただろうか。
勝っているのか、負けているのか予想することは困難な状況だ。

現在13ターン目。

もう隠す必要もないと判断し、ここらで読者の皆様のために戦況を公開することにする。

<ドイツ軍戦力>

A司令部(domo)

B中隊
 C小隊
 D小隊
 E小隊

F中隊
 G小隊
 H 小隊
 I小隊(NINO 隊)

J中隊(ブランデンブル グ隊)
 L小隊
 M小隊
 N小隊

S戦車中隊 (4号D型×2)
 T 小隊(KIA隊) (3号突撃砲F型×2)
 U小隊 (4号D型×4)

司令部直轄部隊
 K小隊 FO(前線観測員)
 O小隊 Sdkfz 251/2 Grw (81mm迫撃砲装備)×2
 P小隊 12cm迫撃砲×3
 Q小隊 10cm迫撃砲×3
 R小隊 Fieseler Storch (偵察機)
 V小隊 偵察部隊
 W小隊 偵察部隊
 X小隊 MG34(2)×2
 Y小隊  sIG33 PZ II×2(直接射撃のみ)

と、こんな感じで購入をし編成しました。
で、現在の損害数は

B中隊・・・死傷者49名(1分隊壊滅)
F中隊・・・死傷者50名
J中隊・・・死傷者45名(1分隊壊滅)
S戦車中隊・・・移動不能(3突、4号D型)
司令部直轄・・・死傷者12名、撃破(sIG33×1)

今、 計算してみて愕然としています。
めちゃめちゃ損害多いじゃん。

150名を余裕で超えているとは・・
これでこの後、大丈夫なのか・・

では各地区の戦況を説明しよう。
(マップ上の砲煙・煙幕などは全て消してあります)

まずは「北地区」から

北

もちろんこれはドイツ軍から見えているソ連軍のみであるため、 VHを守るソ連軍はこれが全てではない。

ここはJ中隊のブランデンブルグ隊が展開しているところであるが、 正直大苦戦している。この左の建物の半分以上で火災が起こっており、その火災がドイツ軍を悩ました。 建物の右端にはまだソ連兵が頑強な抵抗を見せているのがわかる。

そのため、ブランデンブルグ隊はこの建物を迂回することにし、「アパートC」の北から攻撃を行っている最中である。

ここのVHは5つ。
だがここを守るソ連軍は精鋭部隊である。

画像下に見えている戦車は現在、 KIA戦車長が乗車している3突である。

次は「南地区」に移ろう。

まずは「第1区画」

南1

ここの最終目標は 「劇場」にある5つのVHだ。

ここは作戦当初、「NKVD司令部」にソ連兵はおらず、B中隊は損害がほとんどない状態 だったのだが、この見通しのよい広場に配置されていたソ連軍の精鋭部隊との間で激しい攻防が続いている。

「第2区画」

南2

最終目標の「図書館」 にあるVHは6個。

はっきり言ってここは一番手こづっているかもしれない。
「クレムリン宮殿」の中のソ連兵がどえらいしぶとく、次々と突撃させては反撃に遭い死傷者の山を築いている有様だ。

ここの担当はB中隊とF中隊の一部だったが、なぜだかもうほとんど部隊が残っていない。

なぜだろう・・・

NINO小隊だけが頼み綱の状態である。
(画像に映っているのもNINO小隊)

頑張れ、NINO小隊長!!

最後は「第3区画」

南3

最終目標は「デパート」の5つのVH。

画像では分からないが、ここは左の建物「工場」のソ連兵を追い出し、ようやくこの「工場」を突破することに成功した。

戦車の支援があるまでは非常に苦労したのだが、4号戦車が到着するやいなや、一気に加勢した感じだ。

と、まあ、 こんな感じで中盤戦を迎えようとしている。

で、全部ばらしちゃって本当に大丈夫なんだろうか・・

【13ターン】

「VHの確保に成功した」

ブランデンブルグ隊からの入電があり、 「アパートC」にある5つのVHのうちの一つを確保した。
ついに初めてのVHを確保した。

「よし、 いいぞ」

建物内に立て篭もる敵を排除するのは容易ではない。
互角の戦力ならば攻める方の犠牲が多く強いられ、 精神的にも苦しい立場に立たされる。

こういう戦闘をしていていつも思うことは、最後に残された一回の射撃で敵にダメージを与え、 敵を後退させる場面によく出くわす。

なので最後の射撃まで諦めないこと。

そして回復作業を行うときは気合をいれて行う。

これは運も影響してくるので、ギリギリの戦闘をしているときは、「えい!」と気合いを入れると回復に成功するような気がする。

【14 ターン】

ブランデンブルグ隊がさらに勢いをつける。

VHのある「アパートC」で待ち構えるソ連軍の精鋭部隊をじわりじわりと後退させていく。

さすがは最高の特殊部隊である。
回復に成功するだけではない。

兵士全体の射撃命中率も高いし、爆薬を所持しているため接近戦では途方もなく攻撃力が高い。
(隣接しているソ連軍のスナイパーを爆薬で建物ごと吹き飛ばしてしまいやがった)

そのアパート内にブランデンブルグの4分隊が後を追うようにして入っていった。

「あと一息だ!」

うまくいけば次のターンにあと3つは確保できるかもしれない。

この「北地区」のブランデンブルグ隊の突破は「南地区」にも影響を及ぼすはずだと見ている。

ここのソ連軍の精鋭部隊を片付ければ、ソ連軍全体の士気にもかかわるだろうし、 また戦力的にもうこの地区を補うだけの戦力は残されていないはずだから、ブランデンブルグ隊を今度は「南地区」に向かわすことができるようになる。

14

「南地区」もこれに続かねばならない。

C小隊とD小隊が「劇場」に向かって前進する。

だが前方あるいは側面からソ連軍のライフル兵に狙わればたばたと兵士 が地面に倒れる。

ここは広場になっているため「劇場」までの約200mに渡り視界が開けている。
即ち身を隠す掩蔽物がないのだ。

「戦車前進!!」

歩兵を支援していた4号戦車が歩兵の前にでた。

そのときだ。

「GUWAAAAAN」

4号戦車に砲弾が命中した。
350m(7へクス)の距離でT34/76が発砲し、それが4号戦車の側面に命中。

そのまま車体は火炎に包まれ炎上した。

脱出者無し ―

「しまった・・・あんなところにまだT34がいたのか・・」

ソ連軍起死回生の一撃だ。

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【15ターン】

15ターン、ようやく折り返し地点に到達。

ついにブランデンブルグ隊が 「アパートC」にある全てのVHを確保した。
ここを死守していたソ連軍の精鋭部隊は最後まで抵抗を見せたが、ブランデンブルグ隊の執拗な攻撃が勝り、 敵は全て殲滅した模様だ。

「長かったな」

司令部でも安堵のため息が漏れた。

ブランデンブルグ隊の損害が予想を遥かに上回ってしまい相当な痛手を食ってしまった。

だがそれでも彼らは成し遂げたのだ。

16

しかし喜んでばかりもいられなかった。

先ほどのソ連軍の攻撃でこちらのライフル歩兵が2分隊壊滅してしまったのだ。

ご存知のようにほとんどの部隊(分隊)は、 各々少なからずの損害を受けていて、これ以上の死傷者を出すようなことがあれば、 その部隊はたとえ隊員が2、3名残っていても部隊は消散してしまう可能性が高い。

(分隊の隊員数が3分の1ほどになったときは要注意!次のダメージで壊滅するかもしれません)

塹壕に掩蔽されているT34が我々の前進を阻んでいる。

確認できているT34は2輌。
一方、こちらの戦車は5両(4号が4輌、3突が1輌)

数的には断然こちらが有利なのだが、なぜだか勝負を挑むのを避けよう としている自分がいる。

その間に歩兵の被害は増えるばかりだ。

司令部では この事態に対する新たな手を打つことにした。

現在、最も敵の抵抗が激しいのが「南地区」の中央にある「クレムリン宮殿」周辺である。 この「クレムリン宮殿」−「図書館」の第2区画では歩兵部隊の消耗が激しく、 これ以上の損害を出すことになるとVHを確保するのは不可能になりかねない。

そこでこれからは、この中央の第2区画の部隊は前進させず、 その両翼である第1区画と第3区画の部隊を進撃させ、敵を左右から包囲するという形を取る作戦に出ることにした。

【16ターン】

「砲兵部隊から報告です。迫撃砲の残弾があとわずかだそうです」
迫撃砲は12cmと10cmがそれぞれ3門ずつあるが、既に残弾は残り数発になっていた。
そしてこのうちの3門は既に砲弾を撃ちつくした。

砲兵隊の仕事もここまでだ。

だが実はドイツ軍にはまだ砲は残っている。

それが2輌のSdkfz251/2である。

この車両に搭載されている81mm迫撃砲は通常の81mm迫撃砲の倍近い数の砲弾を積載しているのだ。

なのでまだ半分ほどは残弾がある。

しかし司令部では先ほどこの2輌に新たなる命令を与えた。

「前線で直接射撃により歩兵を援護しろ」

ソ連軍の立て篭もる拠点に対して歩兵の持つ武器では火力が弱いため、迫撃砲による直接射撃で攻撃するということだ。

一方、戦場ではソ連軍も混乱している。

多くの死傷者を出し後退、退却したソ連兵だが、 なんと背後のドン川にかかる橋は全てNKVDにより爆破されているのだ。

そのため彼らにはここで最後の一発まで戦うか、それとも川に飛び込み溺死するかのどちらかしか選択が残されていなかった。

もちろんゲームでは退却する部隊はプレーヤーの意志とは関係なく、自動退却をするため、そう、橋の上で袋小路に追い詰められたような状態になってしまっている。

いやよく見ると 川に飛び込んで自ら死を選ぶ兵士も見受けられる。

それをあの男が見逃すはずがない。

そう、KIA戦車長だ。

KIA戦車長の乗る3突は戦意を喪失し橋の上で逃げ惑うソ連兵士を追い詰めていく。

「情無用ファイア!」

第3地区ではようやくこのターンに敵の拠点となっていた建物の中にいるソ連部隊を追い出すことに 成功した。(ここにはVHはない)

それにより「デパート」への道が開けたのである。
まさに血路を開いたという言葉がふさわしい。

「司令部!!」

突然、興奮さめやらぬ 声で無線手が叫んだ。

「敵のし、司令部を発見したそうです!」

「な、なに!」

なんと敵司令部を見つけてしまった。

「おいおい、どうすりゃいいんだ・・・」

この一報にドイツ軍の司令部は戸惑いと隠せず抑圧があがってしまった。

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敵司令部発見の報を受けて以来、ソ連軍指揮官との協議が続いている。

我が軍には現時点で以下の選択肢がある。

 1.勝負の世界に徹し司令部を攻撃する。

 2.ここは司令部を攻撃することを一時中止し、しらんぷりをする。
   (もちろん攻撃されたらそのときは攻撃するが)

 3.後まで司令部は攻撃は攻撃しないという話し合いの下、 プレイを続ける。
  (もちろん向こうも攻撃をしないこと)

 4.対戦を終了し、旅に出る。

それと同時に現在16ターンが終了しているが、この先のことも少し協議に入っている。

 1.ドイツ軍が全VHを確保した時点で終了となりソ連軍の敗北とする。
  (ゲーム終了となる)

 2.ターンを縮小して ドイツ軍に時間的制限を作る。
  (いくらなんでもあと残り14ターンもソ連軍が守りつづけるのに限界説)

  3.両者に有利不利がない程度にターンを縮小する。
  (長めに設定しておいたのは、このためでもある)

購入ポイントとマップのサイズから見て、30ターンは若干長めという気はしていましたが、短すぎるのはひたすら消耗戦を招くだけということで少々長めに設定し、 折り返し地点で、どうするかを決めていこうというものでした。

SPWW2には「降伏キー」がありませんので、 ゲームの終了はターンが全て終了するか、あるいはどちらかが戦力崩壊をするかしかありませんが、もしどちらかが降伏という条件を満たしたならば、 その場でターンのみを終了させていき最終ターンまでいきつくということをしてもいいでしょう。

この辺は何か面白いルールが できたら、対戦時にターン数を設定するときに苦労しないかもしれません。

プレイの方は明日までお待ちくださいませ。

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