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新domo 戦記1 「Battle of  Rostov」 (1)

2010年夏 ―

その年の夏も暑かった。
時折降るスコールのような大雨が日本を熱帯雨林のような気候と思わせるほど、 この国は暑かった。

そんな暑さから食欲を失い、やる気を失い、このままいくと夏ばて一直線という事態を招きかねない二人のゲーマーがいた。

N君とK君だ。

まだ社会に束縛されない年齢の彼らにとって、夏は自分たちがやりたいことをする絶好の季節でもある。

旅行に行くのもよし、 何かを新しく始めるのもよし、新たな出会いがあるのはもっとよかろう。

だが、彼らにはそんなこと以上に今、 最も気がかりなことがあった。

それは「domo戦記」に自分たちが登場するということであった!

「あの伝説の戦記に自分が・・・」

二人は顔を一度も顔を合わせたことさえない関係であるが、幾たびも敵として対戦することでいつしか戦友という関係になっていた。

不安が脳裏をよぎり、何も手につかないという日々が数日続いている。

「どうなっているんだ・・」

だがそれも、実際に自分の名前を戦場で目にした途端、大きな期待に変わるのだろう。

「ふふふ、 驚くがいいさ」

domo戦記の作者であるdomo氏は鼻でせせら笑った。

そしてついに「新domo戦記」が始まった。

1942年7月

ブラウ作戦最初の目標であるソ連軍の拠点ロストフは陥落目前であった。

ロストフは背後をドン川で守られた天然の要塞都市であり、南方軍集団の目標であるカフカスへつながる重要な拠点であった。

この街の周囲は既にドイツ軍によって制圧され、残すは中心街だけとなっていた。
しかしその中心街でのソ連軍はこれまでのソ連軍とは全く異なっていた。

ここを守る兵士は自らの命を惜しむということ一切せず、しかも市街戦の専門家であった。

その部分をパウルカレル著「バルバロッサ作戦」から引用しよう。

 「道路は掘り返され、 補石が厚さ1メートルのバリケードに積み重ねられている。拒馬のたぐいと地雷のため接近はほとんどが不可能だ。家のドアはセメントで固められ、窓には土嚢を積んで銃眼をあけ、 露台は機関銃座だ。屋根にはみごとに偽装した狙撃銃座がある。地下室には数十万本ものモロトフのカクテル」

 「あきそうなドアがあっても、 そこには例外なく地雷が隠してあって、ノブをまわすと爆発するのだ。または敷居すれすれに張った細い針金にひっかかると、 仕かけた爆薬が炸裂するといった按配である。」


もちろんこれらはNKVD(内務人民委員部)という国家に 忠誠を尽くし、無条件に服従する精鋭部隊が作りあげたのだった。

ドイツ軍は7月24日の戦闘で中央郵便局とその周辺のNKVDの立て篭もる建物はなんとか制圧することに成功した。
(これは中級編第2弾のシナリオ224のこと)

残すはドン川の橋を確保し、そこに橋頭堡を築くことだ。

だがそれには最後まで徹底抗戦するNKVDをロストフから排除しなければならなかったのである。

まず今回の対戦について手っ取り早く説明しておこう。

本来は君たちに重大な作戦までを教えるわけにはいかないので、 最低限の情報ということになることをご了承願いたい。

日付:1942年7月25日
場所:ロストフ中心 街(シナリオ224マップを修正使用)
ドイツ軍(Assault) vs ソ連軍(Defend)
ポイント:ドイツ軍 2100 : ソ連軍 1200
ターン:30ターン

砲兵制限:ドイツ軍 15%(315p  航空部隊を含む) ソ連軍10%(120p) (盤内砲のみ)
ソ連軍の地雷制限: 5%まで(60p)
空軍: ドイツ軍のみ 2
その他のしばりルール: なるべく史実性を持たせるため、両軍とも精鋭部隊を一中隊は購入すること

と、 まあこんなところだ。

ふふふ、これを読んでいるK君とN君は自分がどうなるのか、たいそう気をもんでいるに違いない。

なんせ今回は地獄の戦場での戦いとなるのだから。

だが安心するがよい。

君たちのソ連軍懲罰部隊行きは今回ない。

なぜなら私がドイツ軍を担当し、君たちはドイツ軍として戦ってもらうからだ。

幸い対戦相手のY氏はそんなにこのゲームをプレイしたことはない。

とはいえ、 歴戦のボードゲーマーであり、戦術や指揮、それに運までも味方につける方法を体得している。

決してあなどってはならない。

繰り返す。

決してあなどるな!

「domo少佐、お久しぶりです」

しばらくの休養を経て、 再び戦場に舞い戻ってきた俺に対し、兵士の誰もが心から歓迎してくれた。

ありがたいことだ。

連日の戦闘で誰の顔もほこりと砲煙にまみれ、 着ている服はぼろぼろになっているのだが、血なまぐさい戦闘を微塵も感じさせない。

ここにはまだ誇りと連帯感が残っている。

それに士気も高かった。

だが手厚い歓迎を惜しむかの如く、 俺はすぐさま作戦の方に移らなければならなかった。

今回の作戦 ―

昨日の戦闘でソ連軍のNKVD本部を攻略したという情報はほぼ正確のものと見ていい。

だが敵はまだそこらじゅうに拠点を張り巡らしている。

これを全て除去しなければならない。
そうしてこそロストフ占領となるのだ。

敵は最後に全ての兵力を終結させ、我々の前進を阻んでくるだろう。

「厳しい戦いになるな・・」

夜が明ければ、多くの兵士が命を落とすことになるだろう。

俺はタバコを吸いながら夜空を眺めた。

ロシアの空には星が無数に散らばっていた。

何千年も人類はこの空の下でお互い殺しあってきた。

それをただじっと眺めてきた星たちはどう思っているのだろう。

どちらが勝っても、どちらが負けても、 馬鹿げたことだった。

だが、俺にはこの戦争を止めることなどできない。

ただ自分の運命、 カルマに身をゆだねることだけが今の俺にできることだ。

「少佐、準備ができました」

司令室に歩兵、戦車、工兵隊の小隊長が集まってきた。

そしてしばし明日の作戦についての打ち合わせが始まった。

(戦闘はまだまだ始まる気配すらない・・・)

現在、 お互い部隊購入で激しい心理戦を展開中です。

全然決まりません。

暑いですし、画面を見続けるのも集中力の限界がありますので、それが原因かもしれませんが、 ただ適当に選ぶのではなく、なんかじっくり選ぶのも面白いですので、更新遅れます。

若干、しばりルールを変更しました。

→ドイツ空軍機は3から 2に
→両軍とも精鋭部隊の購入は少なくとも一個中隊に

ソ連軍の1200ポイントでの購入はかなり厳しい選択となっているようです。
僕もやってみましたが全てまかなおうとするとギリギリの選択を迫られます。

砲兵制限や地雷購入などの購入を最大限にしないほうがいいかもしれません。
ブンカーなどの防御施設をどうするかの選択で悩むところです。

ドイツ軍は大体、決まりかけてきました。
悩みどころは、最後に余った150ちょっとで何を買うか、 結構選択幅が大きくて悩んでいます。

ということで、多少遅れてもここで時間をかけることにします。

さあ、 そろそろ始めることにしよう。
ドイツ軍は全ての部隊が整った。

そして先ほどまで行われていた作戦会議は既に終わっていた。

明日はいよいよロストフ市を占領するのだ。

俺は片手にワインのビンを持ち自室に入り軍服のボタンを外した。

そしてグラスにワインを注いだ。

一日の疲れを癒すにはアルコールが一番だ。

だが俺はロシアのウォッカは飲まないことにしているため、本国から取り 寄せたワインをたしなむことにしていた。

だがこんなことができるようになったのは、つい最近のことだ。

アルコールが体中を巡り始めると、昔の記憶が呼び戻される。

「くそっ」

悪夢を追い払うかのように、ワインを飲んだことを少し後悔した。

そのときだった。

「失礼します」という声と共にドアがノックされた。

一人の男が敬礼をしてたっていた。

「入れ」

部屋に入ってきた男はブランデンブルグ部隊の中隊長であった。

ブランデンブルグ部隊とはドイツ軍のコマンド部隊(特殊部隊)である。

彼らは特殊部隊として、敵の軍服を着用し、 敵の言葉を使い、敵軍に気づかれないように侵入し、橋・トンネル・鉄道などを占領した。

この悪名高きこの部隊は、 ドイツ軍が戦った全ての戦場において影で暗躍した。

しかし彼らの行為は捕まれば軍法会議にかけられるまでもなく、 即処刑されるものであった。

だが彼らの戦場での武勇伝はドイツの敗北にあって、今でも燦々と輝きを放っている。

そのブランデンブルグ部隊が今回、我が部隊に含まれている。
もちろん、彼ら一個中隊は今回も主力部隊とは別行動で、 行動してもらうことになっている。

ロストフ市内に潜むNKVD部隊と互角に戦うには、こちらも精鋭部隊を駆使し、 作戦を立てる必要があるからだ。

ブランデンブルグ部隊の中隊長は、ロストフ市の地図を取り出した。
そして俺はひそかに彼に明日の任務を伝えた。

名称

マップの修正は、 重要拠点の名称を記したことと、激しい戦闘による荒廃感を出すために、さらに多くの建物を瓦礫化したこと、それとあと一つは秘密である。

名称については 上図をご覧になればおわかりだと思うが、一応、ロストフ中央道路から北を「北地区」その反対側を「南地区」と呼ぶことにした。

北地区は主にアパート群、A、B、Cが並んでいる。

南地区は例のNKVD司令部のあった建物と市庁(シティホール)、 博物館の3つの区画を第1区画とし、クレムリン宮殿(実際にあった)と工場を第2区画、そしてドン川沿いの劇場、図書館、デパートを第3区画(最終区画)とした。

なおこれらは建物は実際ロシアの街にあった建物ではあるが、実際にこの場所に本当にあったわけではないのであしからず。

そしてVH(勝利目標)は上図の写真とは多少位置が異なるが、全て最終区画に密集していると思っていただきたい。

ドイツ軍の作戦、及び部隊編成をここで明らかにしてもいいのだが、ソ連軍のスパイがすぐさまかぎつけると思われるのでここは辞めておこう。

だが、もしそうだとしたら!逆に相手に与える心理的な混乱を誘引することができるやもしれぬ。

ということでドイツ軍の作戦を大まかにお伝えすることにしよう。

まず正攻法でいく場合、このような市街戦では横一列に並んだ部隊が前進していくとき、ある部隊だけが前進しすぎては非常にまずい。
できれば横一列で少しずつ前進していくのが望ましい。
(もちろん敵の戦力にもよるが、 パウルカレルの本でもドイツ軍はそう戦ったと書いてある)

最も警戒しなければいけないのは、側面からの攻撃で、 もし敵装甲車に側面から侵入され背後をつかれるとこれは対応に支障をきたすので、援護部隊はできるだけ偏らないで配置すること。

そしてこれは逆も言える。

こちらが敵の側面をつくという場合だ。もちろんこう書くのはこちらも怠っていませんよという牽制でもあるのだが。

そして今回は30ターンと少々長い設定にした。

これは持久戦になるということを想定したもので、これだけの時間があれば、 慎重にことを運んでもいいし、また後退した部隊が抑圧を回復できる時間も十分あるだろう。

これはあくまでも 自分の見解であるが、ソ連軍は決して余裕の購入ではないと思う。1200ポイントでこの戦線を守るとなると、最低でも3個中隊は必要であるし、 その中の一つが精鋭部隊であるので、購入できても4個中隊が限界であろう。

だが、歩兵を購入し終えると、 残りポイントが約250。

残りで地雷類と砲兵部隊、戦車(必要なら)を揃えなければならない。
あるいはトーチカや爆薬を選択するだろうか。

ソ連軍プレーヤーはしょっぱなから頭の痛いところだ。

だが歴戦の赤軍プレーヤーであるY氏である以上、そこは経験でカバーするにちがいない。
(本当はKV-1で来られたらどうしようと内心はおどおどしているドイツ軍なんだが)

ということでようやく始まる気配が見えてきました。
アレ?夏休み特集じゃなかったっけ・・・

PS:ロストフの戦いの映像が YOU TUBEにありました。なかなか素晴らしい映像で、脳内補完にはかなりいい資料だと思います。

ロストフ映像

夜が明けた。

作戦開始まではもう少し時間がある。
少し兵士の様子を見ておこうと思い、 足を運んだ。

兵士が消耗した中隊には後方から予備部隊が補充され定員は確保できている。

士気も高そうだ。

弾薬・食料も十分であり、今のところは問題はない。

一人の兵士に目が止まった。

小隊長なのだろうか、自分の銃を念入りに点検していて、ずいぶん銃には詳しいようだ。

その兵士はドイツ人には見えなかった。
東洋人のようだ。
そういえば、 この部隊には東洋人が数人いるという話を耳にしたことがあった。
だが彼はまだ若い。どう見ても20前後にしか見えない。

彼は大事そうに胸のポケットからは恋人の写真を取り出した。

「まさかな・・」

志願兵なのだろうか・・あんな若さで軍隊に来るとは・・

その兵士に声をかけようとしたが、一瞬ためらい、そして結局やめた。

後方で待機している戦車中隊の方にも行ってみることにした。

4号戦車が数台並んでいる。

どれも車体は機銃や砲弾の破片を受けて痛々しいが、戦車は歩兵の盾となり支えとなっている。

だがその戦車も視界の狭い市街戦では、 苦戦が強いられている。

戦車長たちが数人集まり、打ち合わせか何かをしていた。

皆、タバコをふかし上機嫌である。

どうやら新米戦車長の歓迎のようだ。

その新米戦車長らしき人物を見て俺は驚いた。
こいつも東洋人らしい人物ではないか。

そして歓迎の儀式が始まった。

紐のついた洗濯ばさみが用意されている。

そしてその洗濯ばさみをその東洋人らしき新米戦車長の乳首にがっちりとはさんだ。

「ううう」

思わず声が漏れた。

そして次の瞬間だった!

選択ばさみについていた紐を思いっきり引っ張ったのだ。

もだえる新米戦車長。笑いころげる同僚たち。

「大丈夫なのか・・彼は」

どうやらS嗜好の戦車中隊のようだ。

手荒な歓迎がやがて堅い結束を生むのであろうと俺は推測した。

こうして俺は二人の東洋人を知ることになったのだ。

そうこうしているうちに、歩兵部隊がぞろぞろと移動し始めた。
各小隊が自分たちの配置位置についていく。

兵士にとっては今日に限ったことではない。
毎日の日課のようなものだ。

南地区に兵士が密集する。
そして戦車も歩兵にまみれて位置についていく。

歩兵部隊の配置が完了した。

次は事前照準登録をする。
今回は6個の場所に照準を設定できるので、ほぼVHのある場所全域をカバーできる。

こうして部隊を配置すると緊張感が出てくるのがわかる。

ドイツ軍の場合、VHまでの距離が遠く、 VHにたどり着くまでのどこにソ連軍が隠れているのかわからないので、余計に緊張が増す。

「北地区」と「南地区」の境界線であるロ ストフ中央道路にも戦車部隊が姿を現した。

この中央道路上は視界もよく、敵は必ずや防御施設を設置してくるはずだから、 歩兵では進むことはできないだろう。

最後に砲兵部隊を戦線後方に隠れた場所に設置した。

砲兵部隊はまとめて配置すると、敵の砲撃により痛い目に遭うので間隔をおくことにした。

「よし!」

あとは始まりを待つだけとなった。

前にも書いたが、 もし僕がソ連軍を担当するとなったら、かなり迷ったと思う。

戦車の購入や砲兵の購入、そして地雷の配置はもちろん、 どこで敵を待ち伏せるかという戦術的な防御はいつも高度な熟練した経験が必要になってくるからだ。

ある程度の損害は想定しておかなければいけないし、 守りの姿勢だけでは勝つことは不可能であるため、如何に攻めの守りをするかということがこれまた防御の必勝法でもある。

だが普段のY氏はSPWW2ような戦術級のゲームではなく、むしろ作戦級のゲームを好む。

なので今回のようなマゾ的守備は得意なのかもしれない。

じっくり作戦を練るなどという行為は赤軍にあるまじき行為であるのだが。

いかんいかん、 戦う前からどんどんと相手の姿が巨大化してしまっているではないか!

まさか・・KV-1が来るのでは・・やばい・・勝手に妄想が暴走している・・

気を取り直してゲームを始めることにしよう。

【1ターン】

8:00 am

作戦開始の時刻だ。

「前進!」

全中隊が動き出す。

配置上、このターンに敵に遭遇することはまずあり得ないと言っていいだろう。

だが道路の真ん中を移動するのは危険極まりないため、一応、建物から建物へと兵士を移動させることにする。

「慌てるなよ」

自分自身にそう言い聞かせる。
そうなのだ。焦る必要はどこにもないではないか。

偵察隊が辺りを警戒しながら慎重に進む。

だいぶ更新が滞りましたが、心配いりません。
僕的にはほぼマイペースです。

第1ターンで分かったことは、 いくつかの対戦車障害が設置してあることが確認できた。

これらの設置目的はもちろん戦車を通さないということにあるのだが、 それがどこに設置してあるかというと、(27、1)から(28、38)へと南北に続く道路があるのだが、この北と南の端の道路脇に数個設置してあった。

ということは、こちらがふいを突いてあの隙間のような端のへクスから侵入するのを防ぐためであろう。

なんと読まれていた・・
ううむ・・これで奇襲はなくなったか・・

一 応、可能性としては考えていたのだが。

だが対戦車障害は全部で5個のみが設置されていただけだったので、 残りは全て地雷と見ていい。

これは相当な数の地雷がばら撒かれているにちがいない。

そして2ターンの頭に事前照準設定しておいた煙幕弾と81mm砲弾が撃ちこまれることになっている。

あ、 大事なこと忘れてた。
NINO隊長、KIA隊長にも登場していただいていますので、早速、部隊名を変更しました。
今回は独断により役柄を決めさせていただきました。

先の対戦でKIA氏がNINO氏に勝っていることを考慮し、KIA 氏を3号突撃砲の戦車長に、そしてNINO氏を歩兵小隊の小隊長に任命しました。

ってことで文句ないよね。
結構いい役柄なんですよー、ご活躍期待しておりますぜ。
(多分、皆、戦死すると思うけど)

【2ターン】

1ターンのソ連軍は多分100%やることは何もないだろう。
案の定、すぐさまメール を送ってきやがった。

このターンの初めに予定通り、煙幕弾が3箇所に撃ちこまれる。
距離も近いのでほぼ照準したところに弾着した。

これで少し安心して「CITY HALL」と「MUSEUM」へ部隊を進ませることができるようになった。
(砲撃の方は修正して、若干遅延させて撃つ事にしたのでま だこのターンの頭には撃っていない)

歩兵部隊の前進が危険水域に達する。

と同時に緊張感が高まってきた。

「これだ!このドキドキワクワク感だ」

敵に見つかり交戦に入るまでのわずかな時間。

まだ勝敗を左右する要素が何もないこの一時。

プレーヤーの心には期待と不安が同時に一気に高揚する。

この一時こそが至福の一時であると感じることができるようになったとき、 あなたはベテラン指揮官になっているであろう。

戦場に沈黙の時間が流れている。
歩兵と戦車の移動する音だけが時折こだまするだけだ。

どの部隊 からも敵発見の報告は入ってきていない。

やはり敵の防衛ラインの最前線は「NKVD司令部」 「CITY HALL」「MUSEUM」である可能性が高いと見た。

というのはソ連軍としては、防御最終ラインと 最前ラインとの距離が開きすぎると、部隊が拡散し孤立してしまうため、なるべくつめて配置しておくほうが効果的だからだ。


こんなとき司令部ではやることは極めて少ない。
できることと言えば、ひたすら待つだけである。

タバコに火をつけた。

(申し送れましたが、今回domoはA0司令部にて戦闘に参加しております)

そして4門の迫撃砲の照準を修正してこのターンを終える。

おそらくすぐにメールが返ってくると予想する。

【3ターン】

ターンの始まる前に120mm迫撃砲が「MUSEUM」と「CITY HALL」に撃ちこまれた。
威嚇砲撃のためどれだけ効果があったかは期待していない。

それに初弾はどうしても弾着がばらつくこともあり、 初弾の照準は少し早めに設定しておいたほうがいいからだ。

「くそう!メールの返信が早すぎる」

まさかとは思うがこれも心理戦なのだろうか。

こちらがヒヤヒヤしてやりながら送信すると、 涼しい顔をしてポイと送り返してくる。

なんだかこちらが一人で苦戦している気がしてきた。

「まずいな」

戦う前から敵の戦術に惑わされるとは、いささか想定外であった。

「先ほどの砲撃が利いてくれればいいのだが」

と、期待していないと言っておきながら、にわかに効果を期待するようになっている。

ここで少々訂正をしておく。
「区画」についてだが、以前マップ説明をした際に、区画を縦割りで区切ったが、それを横割りにすることにした。

修正は以下の通り

第1区画・・・「NKVD司令部」-「(広場)」-「劇場」
第2区画・・・「CITY HALL」-「クレムリン宮殿」-「図書館」
第3区画・・・「MUSEUM」-「工場」-「デパート」

(なお「広場」はマップ上には記載していない)

この方がわかりやすいので、以降この横割りで区画を区切ることにする。

NINO小隊は第2区画の先頭にいた。
先ほどの煙幕がまだ辺り一面を覆いつくしているので、前が全く見えない。

NINO小隊長は警戒するように分隊に指示を出した。

このターンも移動で終了することになりそうだ。

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