Steel Panthers World War 2 JAPANESE HQ
1年半ぶりの攻略編となりました。
今回は、お盆休みの特集として取り上げることになりました。
シナリオ#300台を紹介するのは初めてとなります。
では早速見ていきましょう。
<歴史的背景> 月日:1941年9月9日 朝 場所:レニングラード近郊 マラヤ・ボカシ村 バトルタイプ:ドイツ(Delay) vs ソ連(Advance) ターン:28 登場部隊 ドイツ: 歩兵:第113狙 撃兵連隊 第1大隊 第3中隊 戦車:第1機甲師団 第6戦車連隊 第6中隊 ソ連:不明 |
今回のシナリオは、1941年にドイツ軍の前に現れた怪物KV戦車に対して、ドイツ軍はどう戦ったのかを再現しています。
「街道上の怪物」と言われたKV-2の話は有名ですが、当時のドイツ軍にはこの怪物戦車と互角に戦える戦車はありませんでした。
装甲が半端ないほど厚い!
街道上の怪物の話では、50mm対戦車砲や88mm、夜には爆薬を仕掛け、そして挙句の 果てにはスツーカによる爆撃までしても歯が立たなかったKV-2でしたが、このシナリオではそんな恐怖を味わえる面白いシナリオとなっています。
ただ、ドイツ軍の中には、歴戦の勇士がいて、KV戦車に悠然と立ち向かう戦車乗りもいました。
ハンス・ブンツェル 曹長もその一人です。
今回のシナリオの主人公とも言える人ですが、残念ながら戦車には彼の記名がしていません。
シナリオでは4輌の3号戦車が登場しますが、小隊長のシュトーフェス少尉だけが「Stoves」と実名になっています。
ハンス・ブンツェル曹長は、残りの戦車のどれかだったのでしょう。
大日本絵画「パンツァーフォー」のP127には、 このシナリオの史実が描かれています。
また光人社「タンクバトルI」のP190にも描かれていますので、ご参考く ださい。
ただし、シナリオのブリーフィングで日付が9月9日になっていますが、史実を読むと、これは13日の誤りであることに気付きました。
それでは少しだけ歴史的背景の説明を。
1941 年、ドイツ北方軍集団はレニングラードを目指しました。
9月8日、ドイツ軍はレニングラードの東、ラドガ湖岸のシュリッセルブルクを陥落させます。
これによって、レニングラードは陸上からの全ての連絡路が絶たれ、 完全に孤立化してしまいます。
そしてドイツ第41機甲師団を中心に、レニングラード市への攻撃が始まります。
しかしドイツ軍を待ち受けたのは要塞化された拠点と、コルピノ戦車工場やキーロフスキー工場で造られて間もない戦車で、 まだ塗装もされていない戦車でした。
ソ連軍はKV-1、KV-2などの戦車を率いて、ドイツ軍が占領している村を襲撃してきました。
<ドイツ軍の戦力>ドイツ軍の戦力は、第113狙撃兵連隊の第1大隊第3中隊の歩兵と、第1機甲師団第6戦車連隊、第6中隊の戦車という編成になっています。
とは言っても、面白い編成になっています。
A 司令部
B 中隊長
C小隊 SdKfz 251/1 2輌
D小隊 SdKfz 251/10 2輌
E小隊 歩兵3分隊、 SdKfz 251/1 3輌、SdKfz 251/10 1輌
F小隊 歩兵3分隊、 SdKfz 251/1 3輌、SdKfz 251/10 1輌
G小隊 歩兵3分隊、 SdKfz 251/1 3輌、SdKfz 251/10 1輌
H小隊 SdKfz 251/2(81mm迫撃砲) 2輌
I小隊 MG34チーム 3分隊、SdKfz 251/1 1輌
J 3号J型戦車 4輌
要するに、歩兵は1個中隊規模なんですが、ずいぶん装甲車が多いですよね。
歩兵9分隊に、装甲車がそれぞれ割り当てられています。
これは装甲擲弾兵であるためです。
ただし、 C小隊とD小隊の装甲車はよく分かりませんw
今回のミッションは移動するものではないので、SdKfz 251/1のような装甲車をどう使うかが問題になってきます。
SdKfz 251/10は、37mm砲を搭載した車両です。
これは37mm対戦車砲だと思えばいいでしょう。
あとは、SdKfz 251/2ですが、これは間接射撃用の迫撃砲車両です。
また、歩兵は装甲擲弾兵ですから、 小隊長以外の歩兵分隊は、対戦車火気として、第4火気に「Gaballte Ladung」という武器を装備しています。
これは、「梱包爆薬」で、収束手榴弾のことです。
威力は普通の手榴弾の「KILL」値が6ですが、収束手榴弾は7 です。(HE弾の場合)
収束手榴弾はAP弾もありますので、近接強襲などでは威力を発揮します。
工兵隊が装備する成形爆薬(ダイナマイト)ではありません。
戦車は3号J型が4輌のみ。
これは史実とおりでしょう。
<3号戦車 vs KV戦車>3号戦車はA型からN型までありますが、
A〜F 型は3.7cm砲
G、H、J(前期)型は5cm KwK 38 L42砲
J(後期)、L、 M型は5cm KwK 39 L60
N型は7.5cm KwK37 L24
となっています。
5cm砲には2種類あります。
少し性能を見てみましょう。
まず、G、H、J(前 期) に搭載された「Kwk 38 L42」
次に、J(後期)、L、M型に搭載さ れた「KwK 39 L60」
同じ口径ですが、性能の差が大きく感 じられますよね。
これは砲身の長さが異なるためです。
「5cm KwK 39 L60」は、1941年12月以降に装備されましたので、今回は短砲身5cm KwK 38 L42であの怪物と戦わなければいけません。
がんばってください。
あ、独り言です。
今回登場するKV戦車の装甲値を見てみましょう。
KV-1
KV-2
KV-1 にはいろんなバージョンがありますが、今回は一番装甲が薄い初期型です。
正面からは無理っぽいですね。
史実でもドイツ軍はPAKで道路の脇から至近距離で側面を狙って撃破したという話が多くあります。
一応、 めちゃありがたいことに3号戦車には、SABOT弾(APCR弾)が各車15発ですが積載されています。 これはKV戦車のことを考えれば当然ですよね。
AP弾とAPCR弾とでは、全然貫通力が違うことが上のデータから も一目で分か ります。
T34/76ならば、まだぎりぎりですが、KV戦車にはAP弾はほとんど通用しません。
まして車体前面に対しては無力です。
全て弾かれます(涙)
APCR弾を 持ってしても、 確実に仕留めるためには、5へクス以内という厳しい条件がつきます。
そして各車15発以内にKV戦車を 仕留めなければいけないということにもなります。
がんばってください。
<ドイツ軍の戦い方>このシナリオはソ連軍が朝、霧の中を強襲するというものなので、 ドイツ軍としては作戦はありません。
こういう強襲(Advance)戦は、 そんなもの立ててる余裕などあるわけなく、 もう経験と適当精神でなんとかするしかないでしょう。
でもそれではあまりにも面白くないので、一応、 マップを見ておきましょう。
マラヤ・ボカシ村には東西南北に4本の道路が走っている。
そのうちの西と南に続く道路からは敵が来ることは考えられない。
だが東と北からはソ連軍がやってくる可能性が高い。
この何もない村にあるVHは全部で3つ。
A、 B、Cどれも一つが350ポイントだ。
これは通常21個のVHを3つに重ね合わせたもので、一つ50ポイントとし て計算されているもの。
3ヵ所のVHだが、一つも敵に奪われてはならない。
ドイツ軍の戦力で、敵を村に侵入されてしまうと、到底守りきることは困難になってくると思われるからである。
特に懸念されているのは、北の道路から敵が侵入してきた場合のこと。
ここを守る戦力は残っていない。
そして戦闘の焦点になるであろうと思われるのが、AのVHの攻防であろう。
まず、ここを守るべく歩兵部隊を結集さ せておく。
そして、BのVHに関しては、残りの歩兵部隊を建物に潜ませておく。
4輌の戦車が全てやられた場合のことを考えると、歩兵の近接強襲のみが頼りになってくるからだ。
設定が朝もや、 朝霧の中の強襲ということなので、視界が悪い。
視界は13と設定されている。
わずか650mしか先が見えない。
しかもゲームターンは28だ。
さてどうなるのか・・・
なお、このシナリオをプレイするに当たり、「PREFERENCES」の設定を変更しまし た。
[Seaching] 70
[Hitting] 80
[Tank Toughness] 120
[INF Toughuness] 120
この設定、最近のお気に入りです。
大抵、これぐらいの「Sseaching」と「Hitting」にしています。
皆さんもプレイするときは、 少し「Seaching」を落とすと面白いですよ。
気になるようなら、AIの方だけ元の設定に戻すとさらに面白く なりますw
「嫌な霧ですね」
「そうだな」
初めて経験するロシアの霧だった。
単なる霧ではない。
この霧に混じって敵が襲ってくることは十分に考えられた。
朝、4輌の戦車を率いるシュトーフェス少尉は、 警戒を怠らなかった。
霧で前方の視界が、600mほどしか見えない。
だが この数日、ソ連軍はもてる全ての戦力でドイツ軍を攻撃してきている。
レニングラードを死守しようと、 やつらも必死なのだ。
それにこの数日間、ドイツ軍が占領しているこのマラヤ・ボカシ村に対し、ソ連軍は幾度も攻撃 をしてきていた。
「食事はしたか?」
シュトーフェス少尉は、双眼鏡をかまえたままハンス・ブンツェル曹長に尋ねた。
「ええ」
ハンス・ブンツェル曹長 ―
対仏戦で2級鉄十字章は受けたが、対ソ戦が始まった頃はまだ無名の戦車長であった。
しかし彼を有名にさせたのは、他でもないあの怪物戦車であった。
怪物はドイツ歩兵をパニックに陥らせた。
3.7cm 対戦車砲が全く通じない。
しかもソ連軍戦車は砲も人も全て踏み殺していく。
この怪物を相手に、ドイツ戦車兵は多くの苦労を要した。
正面攻撃ではドイツ戦車の50mm砲が全て跳ね返される。
ならば側面に回るしかない。
だが、それには並大抵な勇気が必要だった。
しかも至近距離での命がけの一発。
だがこれをするしか、怪物戦車を仕留めることが不可能だ。
6 月25日、ブンツェル曹長はソ連軍の大戦車群とぶつかった。
この戦闘でブンツェル曹長はKV-1の後部5mまで 接近し、KV-1戦車を3輌撃破している。
そしてこの戦闘でのブンツェル曹長の奮闘ぶりはその後、 語り継がれることになった。
「少尉、司令部からです」
少尉が司令部と手短に話しをした。
「戦闘配置!」
この霧だ。
もしこちらがソ連軍ならば、この霧をついて攻撃することだろう。
擲弾兵の分隊がぞろぞろと配置につく。
道路の脇の建物にはMG34が張り付いている。
4 輌の戦車は2輌が村の中に、そして2輌は村の外にそれぞれ配置されている。
ようし!!
始まりだ!!
<1〜3ターン>その始まりは静かだった。
することも自軍部隊を移動させることぐらいしかない。
逆にそれが不気味に感じてしまう。
歩兵部隊は中隊長の命令に従い、初期配置から大幅に移動させることになった。
そして歩兵部隊の数よりも多い装甲車もそれぞれ移動させることにした。
いつもは脇役、いや脇役にもならない SdKfz251/1だが、今回は重要な任務を任されることになった。
前線で敵歩兵の足を止める役割を担うのだ。
なぜなら、わずかな擲弾兵は村に侵入する敵戦車に備えて建物にじっと潜むようにと指示が出たからである。
危険な戦法であることは仕方がない。
だが、この戦法が通用しなければドイツ軍はソ連軍の攻撃を防ぐことはできないだろう。
VH の周囲の建物に歩兵部隊を固めることは、危険であることは十分考えられる。
敵の強力な砲を撃ち込まれたら、あっと いう間に部隊は壊滅してしまいかねない。
しかし・・・・
3ターンになって も一向に敵の姿はなかった。
どうなっているんだ・・
怖じ気づいたのか・・
シュトーフェス少尉は各車に警戒を続けるよう命じた。
この隙に今回の各戦車の戦車長を紹介しておこう。
(J1、 J2、J3は名前を変更しましたw)
J0 Stoves少尉
J1 Bunzel伍長
J2 domo伍長
J3 karakara伍長
カラカラさん、ご参戦おめでとうございます!!
第3ターン終了前のドイツ軍の守備隊 形の一部
<4ターン>ソ連軍の攻撃はいつものパターンで始まった。
砲撃だ。
しかも今回はかなり 大 口径のようだ。
いつもは正確とは言えないソ連の砲撃だが、今回は運わるくドイツ軍のいる建物を直撃した。
擲弾兵に2名の死傷者が出て、「Routed」になっている。
「まぐれだろう」
ソ連軍のこのような大口径の間接射撃は、FOはおろか、砲撃要請ユニットが着弾地点を視認しているケースはほとんどない。
なので普通、着弾に大きなばらつきが出る。
だが、それがうまくいく場合もある。
大口径なので、建物が一瞬にしてこなごなになってしまった。
(建物が崩壊すると、地形の表示に 「Building」 という表示がされなくなるが、まだ表示されているので、一応は残骸が残っている可能性がある)
<5ターン>「敵襲!!」
やはり現れた。
ソ連軍は4ターンに戦車と共に歩兵部隊が姿を現したのだ。
「前方にKV-2 3輌」
怪物とはよく言ったものだ。
縦長の砲塔を持つこの戦車は肉眼でもよく見え、歩兵たちを恐怖の戦慄へと陥れるのには十分だった。
その上、主砲の152mm砲の威力はすさまじく一撃で歩兵の拠点を破壊できた。
随伴の歩兵部隊は「Conscript」(徴集兵)のようだ。
<6ターン>視界には続々と「Conscript」部隊が姿を見せつつある。
なるほど、今回は歩いてきたので、時間がかかったということか。
ソ連軍の5ターンにブンツェ ルの戦車がKV-2に対して、9へクスの距離で臨機射撃を開始した。APCR弾が砲塔に命中するも、 予想通り弾かれた。
KV-2も反撃してきた。
こちらの装甲車が1輌撃破さ れた。
ほとんどのSdKfz251/1は、村の東で敵歩兵を近づけまいと必死の応戦をしている。
し かしこの霧だ。
敵に気がつくと、既に目の前にまで接近してきていた。
200mの距離で機銃を乱射し、ソ連兵を撃退した。
ブンツェル車がまたKV-2を攻撃。
だが、3号戦車の50mm砲では、500mも距離があるとAPCR弾でも歯が立たない。
しかし、 この攻撃には意味があった。
敵戦車に何の致命傷を与えることができなくとも、砲弾の命中により、 抑圧があがり、少なくとも 「Buttoned」状態にすることは可能なのだ。
そうすれば、戦車は止まる。
しかも、 ソ連軍は戦車を含め、抑圧の回復が極めて悪いので、一度抑圧があがると、なかなか回復しない。
この攻撃で3輌の戦車のうち、1輌は確実に足並みが乱れた。(はず)
最後に、A0司令部で81mm砲の間接砲撃の要請をしてこのターンを終える。
このターン、 カラカラ伍長の乗った3号戦車が先頭のKV-2に対して、攻撃を試みた。
距離は300m(6へクス)
無理もない、この若い伍長はまだ恐怖というものを知らないのだ。
1発目は外れたが、続けて2発目、3発目が発射され た。
「命中!!」
だが、致命的ダメージはおろか、50mm砲弾は簡単に跳ね返されてしまった。
と、そのとき、KV-2の砲塔がごろごろと動きだした。
そ して152mm砲がカラカラ伍長の3号戦車に照準を合わせようとしていた。
「やばいぞ!」
こ の距離では3号戦車の装甲などないものに等しい。
「退避!」
最後の射撃が残っていたが、カラカラ伍長はいったんこの勝負は避けるにし、建物の影に隠れ姿を消した。
もちろん、これはいい選択だった。
だが、この攻撃により、こちらの戦車が待ち伏せしていることが敵に分かってしまったことも事実だ。
と いうことは、敵は道路からまっすぐに村に侵入してこないかもしれない。
迂回されたら、ドイツ軍の側面を突かれることになる。
そういう事態が生じる可能性が出てきた。
もしそうなれば、読 者の皆さんには申し訳ないが、ドイツ軍は非常に苦しい展開となることだけはあらかじめお伝えしておこう。
(な お、v6.0のアップデートにより、戦車が臨機射撃をするときに、以前よりも砲塔を回して攻撃する確立が高まりました。これにより、砲塔のある車両は、攻 撃するしないにかかわらず、よく砲塔を回すようになりました)
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