Steel Panthers World War 2   JAPANESE  HQ

368  Out of the Mist

2

<ソ連軍の7ターン>

3輌のKV-2のうち、先頭の車両が前進してきた。

「しめた!」

これは先ほどカラカラ伍長が攻撃をしかけた車両だった。

やつはカラカラ伍長にかまわず村へと侵入しようとしてきたのだ。

しかも後続の2輌の車両は、停止したままだ。

悠々とその怪物は村の入り口に迫ってきた。

「来たぞ!」

道路上で待ち構える2輌の3号戦車。

先頭には、domo車 だ。

「APCR 弾装填」

「砲手外すな、必ず仕留めるんだ」

分かっている。

いくらなんでもこの距離(3へクス)では外さない。

「見えた!」

だが、 照準器の中にいる怪物はとんでもなくでかかった。

「どこを狙えばいいんだ」

「砲手!砲塔下部を狙え!」

戦車の弱点とされている砲塔と車体のつなぎ目。

「FIRE!」

「GUAMMM」

鉄が裂ける鈍い音がした。

「次弾装填!」

続けてもう1発!

これも命中

いくつかのダメージ表示がでた。

<8ターン>
t8

KV-2は移動不能に陥り、 乗員は車両を放棄した。

まずは1輌を仕留めた。

「よくやった、砲手」

domo 伍長はそう言ったものの、やはり怪物である。

この距離で砲弾をぶち込んでも貫通させるのは困難なのだ。

ところで残りの2輌のKV-2はどうしたのか?

この2輌は停止したままで、こちらの装甲車を攻撃していた。

2輌目は先ほどのブンツェル車の攻撃で止まったままだ。

やはりあの攻撃が功を奏したのだ。

さすがはブンツェルや!

先ほどのソ連軍のターンで、装甲車が2輌、攻撃不能になったので、この車両を後方へ移動さ せた。

そのほかはやることなし。

遅延2.2で砲撃要請していた81mm砲 が ようやく0.2になる。

t8

今回の照準修正はなし。

うほ!ど真ん中やー

<9ターン>

「新たな敵戦車出現!」

今度はT26戦車が3輌、それに混じってKV-1もいる。

先に現れたKV-2は、歩兵の拠点を潰すためだろう。

早いところT-26を片付けておきたい。

しかもT-26であれば、50mm砲でも十分通用する。

<10ターン>

シュトーフェス少尉が各車に無線を入れた。

「各車、敵を村におびき寄せろ」

ソ連軍の戦車が増え続けている。

それらをたった4輌の戦車で相手にすることは到底不可能だ。

としたら、できることは一つ。

なるべく村に侵入させて、1輌ずつ片付けるのだ。

こ れを「七人の侍作戦」という。

これは少人数で、敵の精鋭部隊を相手にする作戦であり、 映画「七人の侍」で村人たちが、わずかな仲間と供に村を守ったときに使った作戦である。

とにかく敵を一気に侵入さ せ ず、一騎ずつ村に入れ仕留めるというもの。

ブンツェル車も、カラカラ車も、いったん敵から姿を消した。

<11 ターン

「北からKV-2が3輌!」

またソ連軍の戦車が現れた。

今度は北からだ。

これでKV-2は全部で7輌、KV-1は3輌、T-26は2輌残っている。

撃破したのは、KV-2が1輌、T- 26 が2輌。

しかもこのT-26は2輌とも、SdKfz251/10の37mm砲の手柄だった。

だが、道路上の3輌のKV戦車は村の入り口に向かって進んでいる。

「擲弾兵!煙幕を」

道路上に煙幕を張り、入り口からの視界を完全に消した。

そして4輌の3号戦車は全て集結させた。

さあてと、作戦準備完了だ。

T11

道路を外れた1輌の 進路が妙に気になります。
一応、こいつがそのまま下に降りてきたときは、カラカラ伍長が待ち伏せしております。 カラカラ伍長の後ろは、ブンツェル車。

そして物語はいよいよクライマックスへ!!

次回、乞うご期待!!

<ドイツ軍の12 ターン

「来たぞ!」

1輌のKV-2が罠にかかったことも知らずに、悠々と村に入ってきた。

もちろん警戒しているだろう。

しかし煙幕で視界が効かない。

煙幕の 中からやがて、KV-2の大きなシルエットが浮かび上がった。

「FIRE!」

シュトーフェス少尉の乗る3号戦車からAPCR弾が発射された。

「GUWANNN」

砲弾が命中した。

だがすぐには撃破できたかどうかわからない。

この車両は、でかい・厚いだけでなく、異様に「Weak point」への耐久度が高い。

たとえ「Weak point」判定が「6」でも、なかなか撃破できない。

(T34などは、「1」でも撃破できるんだが)

「DOGAAAAN!!」

突然、KV-2が炎上し乗員が逃げ出す。

さすがはシュトーフェス少尉だ。

一発で仕留めるとは。

もう1輌のKV-2は今度は残骸と化している道路上のKV-2を避けるようにして村に侵入し た。

上図ではへクス(42.45)の建物には歩兵がいるが、ここは最初の砲撃で火災になったまま消化ができず、 この建物にいる擲弾兵は抑圧が6のままずっと下がらなかった。

(正確には一時的には抑圧は下がるが、またすぐ6に なってしまう)

なので、これでは近接強襲が不可能と判断し、11ターンの終わりに、ここの擲弾兵を下の建物に移動 させました。

「KV-1はどこに行った?」

残るKV-1の行方が気にな る。

KV-1は進路を変えていた。

そして建物の外側からVHに突撃すると思われる。

「カラカラ伍長、そっちは頼んだぞ!」

T12

ドイツ軍の戦車は2輌ずつで1輌のKVを相手にする。

矢印の先は敵が侵入してくるであろうヘクス。

<ソ連軍の12ターン>

「距離50m、FIRE!」

またしてもシュトーフェス少尉の車両から至近距離で放たれた砲弾がKV-2の車体に命中し た。

ダメージだ出た模様だ。

そしてこのKV-2は退却しようとしたところ を、建物内の擲弾兵による近接強襲により撃破された。

道路上にあの怪物が2輌、残骸となったのだ。

「ようし!いいぞ」

カラカラ伍長の方はどうなっているのか?

こちらの方では、待ち伏せ作戦がうまくいかなかった。

というのも、上図の位置で待ち伏せしていたのだが、なんとこの矢印線上の道路に新手のKV-1とKV-2が出現したため、そちらを攻撃してしまったのだ。

この攻撃ではもちろん何の戦果もなかったが、、待ち伏せしていたKV-1は、それに気付いたのだろうか、進路をまた道路上へと戻してしまった。

T12
13ターンはじめの図
カラカラ伍 長、何してんねん!

<13ターン>

先ほどのターンに起こった現象を説明しておこう。

まずカラカラ伍長とブンツェル車は建物の外側から来るであろう KV-1を待ち伏せるためにあの位置を選んだ。

このヘクスは3へクス先までしか視界が効かない。

だがその先の道路が1へクスだけ見えるのである。

それが上図のKV戦車が3輌いるところだ。

こういう場合、通常は射程距離を変更し、その射程に敵が来ても射撃しないようにすることがでいるのだが、それを忘れていた。

(いわゆる「Y」ボタンを押して、射程距離の変更ですが、普段、あんまりしませんからこういうときに忘れる)

結局、 双方が撃ちあいになったが、こちらのダメージが出なかったことが幸いだったととらえよう。

基本的に待ち伏せ作戦な の で、自軍ターンはやることはない。

ただし、北から侵入してきた3輌のKV-2の行方が気になる。

ここを守る戦力は、SdKfz251/10が2輌のみなのだ。

SdKfz251/1に偵察をさせると、やつらは まっ すぐに村にはやってこないようだ。

どうやら林を前進するのは避け道路に出ようとしている。

今やこの3輌のKVが合流することがドイツ軍にとって、一番厄介なことになると考えている。

この3輌が合流する前 に、まずは村に近づいているKV戦車を叩かなくてはいけない。

T13

<ソ連軍の13ターンと14ターン>

村にはまたKV-1が罠にかかった。

道路上に残骸と化したKV- 2を避けながら今度は前進してきた。

「FIRE!」

シュトーフェス少尉の 砲弾が続けて2発、KVにダメージを与える。

KVも反撃してきた。

この位置で命中すれば、全員即死だ。

だが、かすりもしなかった。

「ようし、仕留めるんだ」

domo車から放たれた砲弾はKV戦車に命中、撃破した。

「うまいぞ!」

またしてもKV戦車を仕留めた。

だが、喜んでばかりもいられな かった。

カラカラ伍長の3号戦車が撃破されてしまったのだ。

T-26との撃ちあいだった。

乗員は3名が脱出に成功したそうだ。

カラカラ伍長は無事 なのだろうか・・

T13
撃破されたカラカラ車。T-26は煙で見にくいがすぐ上にいる。
この後、歩兵の近接強襲でボコ殴りにしたあと、ブンツェルがトドメを 刺 した。

<15ターン>
T15

「少尉!」

全く予期せぬ事態になった。

なんと敵戦車が我々が罠と呼んでいた道路を迂回し、別の道路を使って接近してきたのだ。

しかもご覧のとおり、村の右側にはもう1輌のKV-2が接近してきている。

完全にはさまれてしまった形になった。

しかも中央の道路の3号戦車の目と鼻の先には1輌、KV-2がいる。

「どないすんねん」

ついにここまでか!

史上初の攻略失敗になるのか!

次回を乞うご期待!!

運命のクリックとなった。

シュトーフェス少尉がまず、目と鼻の先にいるKV-2を難なく撃破した。

残るは両サイドだ。

その前に、大活躍のE6分隊のSdKfz251/10が、また1輌のT-26を撃破してくれ た。

ここまで全部で4輌のT-26を撃破したが、その全てはこのE6分隊のSdKfz251/10である。

戦闘が終わっ たら礼を言いたい。

「各車、最善を尽くそう」

「やれることはそれだけだ、 以上」

シュトーフェス少尉はハッチから身を乗り出し、手短にそういい敬礼した。

生き残れたら奇跡だろう。

T15

と、 そのときだった。

ソ連戦車が退却を始めたではないか。

「!!」

誰もがあっけにとられた。

ソ連軍はこれ以上、戦闘を継続させるのは不可能とみて全軍を引き揚げさせたのである。

まさしく奇跡が起こったのだ。

戦力の損失が甚大であったのは明白である。

生き残って村にたどり着いたのは戦車のみ。

歩兵部隊は、いまやほとんどいなかった。

last

今回の戦闘はまれに見る、ターン途中での「強制終了」で す。

結果はもちろん「DV」

こ れは基礎編のSTEP8にも書きましたが、とある条件を満たすと起こるというものです。

今回のケースは、ソ連軍は 全ターンの折り返し地点で一つのVHも確保できておらず、また戦力のほとんどが「Routed」「Retreated」「Destoryed」になっていました。

そのためにこういった結果が起こったと考えられます。

最初、このシナリオをプレイしたときは、KV戦車に全く歯がたたず、3号戦車が全て壊滅してしまい、完敗してしまいました。

2 回目も完敗。

おかしいな、このシナリオドイツ軍に勝ち目があるのかな・・・

そこで、どうしたら勝てるのか考えました。

(この時間が楽しかったりする)

普通に撃ち合ったら、絶対にドイツ軍は勝てないんですよ。

そこで考えたのが、この作戦です。

いわゆる村に侵入させるというやつです。

それと、歩兵をいかに撃退するかというのも。

3回目の挑戦で、見事ソ連軍に勝つことができました。

その後、史実を探して読んでみると、やはり超至近距離から、しかも側面や後面を狙い撃ちしているんですね。

そういう戦車や砲のデータは、SPWW2はよく再現されていると思い ました。

さて今回、ご登場いただいたカラカラ伍長はどうなったのでしょ う。

気になります。

脱出したのは3名でした。

その中に、カラカラ伍長はいたのでしょうか・・・

今回の攻略第4段はこの辺でお開きにしたいと思います。

お付き合いくださりありがとうございました。