Steel Panthers World War 2 JAPANESE HQ
サイト開設二周年記念として今回はシナリオ122番を取り上げました。
SPWW2のマーケットガーデン作戦に関するシナリオは、シナリオ#118〜130まで13本連続で入っています。
しかしSPWAWのマーケットガーデン10部作のよ うな超ロングターンものではなく、ほとんどが数ターンで終わる短いものです。
ここでマーケットガーデン作戦って 何?という方はまず映画「遠すぎた橋」をDVDでご覧ください。
僕も今回3年ぶりにこの映画を観ましたがいい映画 です。
<シナリオ背景>マーケットガーデン作戦は、アルンヘムでライン河を渡り、ルール工業地帯を南進しベルリンにとどめの一撃を加えるというもので、 オランダにある主要な5つの橋を空挺師団である米第101、第82空挺師団、英第1空挺師団が奪取し、その後に陸から英第30軍団が到着するまで確保し続けるという作戦でした。
その最も重要な橋がアルンヘムにかけられている橋であり、その任務は英第1空挺師団が任されました。
史実ではマーケットガーデン作戦はノルマンディー上陸の3ヶ月後の1944年9月17日に開始されました。
この作戦は史上最大の空挺作戦となりましたが、数万名の兵士のパラシュートが花開く光景はこの映画の中でも見所の一つとなっていますが、すごいですよね。
このシナリオ#122は作戦二日目の9月18日、アルンヘムに降下したイギリス軍とそれを迎え撃つドイツ軍の戦いを描いたものです。
(Arnhem という地名は、昔はアルンヘムと言っていましたが、最近ではアーネムとも言うらしく、一応ここではアルンヘムとします)
18日は映画にも出てくる有名なシーン、 アルンヘム橋を渡ってくるドイツ軍の装甲車からなる偵察部隊をイギリス軍が迎え撃ち、 次々と撃破しドイツ軍に大打撃を負わせる場面がありますが、 これも同じアルンヘムでの戦闘で、こちらはシナリオ#123で取り扱っています。
(ちなみにドイツ軍の勝利は超難)
月日:1944年9月18日 明け方 場所:オランダ アルンヘム市街 バトルタイプ:ドイツ (Assault)vs イギリス(Defend) ターン:10ターン 登場部隊: イギリス 第1空挺師団 第1パラシュート旅団 第2大隊 ドイツ 第2SS装甲軍団 (第10SS装甲師団「フルンツベルグ」 BRINKMANN戦闘団) |
このシナリオの作者は戦記本を参考・引用しシナリオ作成をしています。
このアルンヘムの戦闘に限らず、 戦記本の洋書は他にもかなり多く出版されていますが、 当然、そんな洋書は僕の手元にはなく、まして映画「遠すぎた橋」の原作本となった「遥かなる橋」(ハヤカワ出版絶版)も手元にはありませんので、 仕方なくまた今回もネット頼みとなりました。
では、状況について説明しておきましょう。
17日の作戦当日、 アルンヘムに降下しアルンヘムの市街と橋を確保する予定であったのは、 イギリス第1空挺師団第1パラシュート旅団の第1大隊と第2大隊と第3大隊でした。 (第4大隊は18日に降下予定)
イギリス第1空挺師団はドイツ軍からの抵抗もなく降下することができましたが、 降下ゾーンからかなり離れた地点に降下した部隊や、降下後、ドイツ軍に攻撃された部隊が出たため、 アルンヘム橋奪取の主任務は第2大隊が執ることになりました。
この第2大隊が後の悲劇のヒーロー、ジョン・フロスト中佐率いる「フロスト大隊」です。
フロスト大隊のA中隊は、降下したその日の夜に橋の北側(このシナリオの戦場)の市街地に防御陣地を築きました。しかし早くも問題が発生します。 別任務で行動していたB中隊とC中隊と無線が全くつながらなくなりました。(もちろん師団本部とも)
この辺からフロスト大隊の悲劇のシナリオはできあがっていきます。
一方、ドイツ軍は第2SS装甲軍団というとなんだか最強のような響きですが、中身は ボロボロになってオランダで休養・再編成をしていた双子の師団と呼ばれた第9SS装甲師団「ホーエンシュタウフェン」と第10SS装甲師団「フルンツベル グ」でした。
実際は戦車すらまともにない状況でしたが、この師団には第9SS装甲師団の師団長がハルツァ(Harzer)大佐、第10装甲師団の師団長は ハルメル(Harmel)大佐、そして第2SS 装甲軍団長には名将ビットリッヒ親衛隊中将という一線級の指揮官がいたこともフロスト大隊の悲劇をお膳立てしました。
また、あのハンス・フォン・テッタウ(Tettau)将軍 (個人的にはこの人が大のお気に入り)も、訓練兵や寄せ集め兵で大活躍をしたことは、ASLのシナリオでご存知の方もおられるでしょう。
それでは、今回のシナリオの主人公であるブリンクマン(Brinkmann)少佐について説明しておきましょう。
ブリンクマン少佐は、第9SS装甲師団でしたが再編成で第10SS装甲師団の偵察大隊(Aufklarung Abteilung)の大隊長として、アルンヘムの橋の守備隊を担当した指揮官です。
英第1空挺師団 がアルンヘムに降下した17日から降伏する25日まで、最後の最後、銃弾がなくまるまで死闘を繰り広げましたが、そのときの相手がこのブリンクマン少佐率 いる「ブリンクマン戦闘団」(Kampfgruppe)でした。
日本ではほとんど知名度はありませんがブリンクマン少佐は、スターリングラードの生き残り(負傷)で、スターリングラードの市街地で 頑強なソ連兵と戦った古強兵でした。
ブリンクマン少佐は、スターリングラードで培った市街戦の戦術である夜間の浸透戦術をイギリス軍相手に使いました。
しかしブリンクマン少佐についての詳しい戦歴は分からずじまいです。
(この攻略編を書き始めたときは、ブリンクマン のことを知りませんでしたが、調べているうちにスターリングラードの生き残りと知り、がぜん気合いが入った ことは内緒です)
なおこのシナリオはドイツ軍でのプレイ推奨となっています。
<ドイツ軍の戦力>ドイツ軍の戦力を見ていきましょう。
A司令部 ブリンクマン少佐
B中隊長 第10SS 歩兵
C〜F 歩兵小隊 第10SS 歩兵
G 8cm 迫撃砲小隊
H〜J 歩兵小隊 ブリンクマンKG
K〜L 増援部隊
これはほぼ史実とおりの戦力となっています。
登場する歩兵が第10SSとブリンクマン戦闘団(KG)と別の表記になっていますが、中身は同じ武装 SS部隊です。
増援は、予定では5ターンにブリンクマン戦闘団の歩兵一個小隊がトラックで到着し、7ターンには待望の偵察車、装甲車、2号指揮戦車、PUMAなどが到着することになっています。
ただし増援は確実に到着するとは限りません。
(シナリオ作成時に何%の確率で指定ターンに到着するかを設定できるようになっていて、歩兵部隊は5ターンに登場しますが、 装甲部隊はターンにばらつきがあります)
時と場合によっては、この援軍の到着が勝敗を決することもありますのでその辺はお手柔らかに。
歩兵部隊ですが、 第4火器にパンツァーファーストを装備している部隊もいますが、 対戦車地雷を装備している部隊がほとんどです。この地雷はAP弾のみなので、事実上ないと同じ です。
また各小隊にはパンツァーファースト隊が一部隊づつ含まれています。
このパンツァー ファーストは、HE弾1発、HEAT弾6発もあります
(HEAT弾がありますので、非装甲ユニットに も有効です)
ということは、この部隊は二人一組なので、一人が3、4本 のパンツァーファーストを担いで移動していることになるのでしょうか。これは大変ですw
では簡単に作戦の説明をしておきましょう。
と、言ってもこうすれば勝利できるといいうものではないのでそのつもりで読んでください。
ドイツ軍はアルンヘム橋の北側にある2つのVH(ビクトリーへクス)を獲らなければいけません。 通常ならば21個あるVHが今回は2つしかありませんので、もうここでかなりきついと感じます。
(これは残り19個を全て重ねて配置してある)
VHは一つが200点、もう一つが210点の合計410点。
ただしドイツ軍が勝利するには自軍の損害を少なくし、 イギリス軍に多くの損害を出さなければ難しいですので、良くてもドロー下手すると敗北になることは必至です。
おいおい、もう言い訳してるのかとお嘆きの貴兄の方々、このシナリオ難しいんですよ。
イギリス軍の精鋭部隊が強い!んです。
んでもって、道路中地雷が埋まってるし、下手に見つかって攻撃されると蜂の巣になってアッという間に部隊が壊滅するし・・・
イギリス軍は史実では、円形防御陣地を構築したとあります。
17日と18日にドイツ軍はその陣地に幾度となく攻撃を仕掛けますが一部 の 建物を獲っただけであとは撃退されているのです。
もう一言言わせてもらいやしょう。
「史実をくつがえすのは簡単じゃーない」
ドイツ軍の初期配置
アルンヘム橋に到る道路は全部で4本あります。
左から[道路A][道路B][道路C][道路D]と上図に記しました。
AとBとCの道 路上にはドラゴンティースが設置されて、これを除去しない限り車輌は進入できません。
また市中至るところに地雷が 埋設されています。
それも一つのへクスに地雷2つとか3つとか・・それはないでしょ。
初期配 置のH小隊の小隊長のいるへクスにも地雷が・・
「小隊長!足元に地雷が!」
「何!」
「DOKAAAAN」
とまではいかないものの、必ず4、5人は地雷で死にますので覚悟してください。
(10ターンなのでドイツ軍には地雷を除去しているよう な時間の余裕はないため、地雷の上を進むしかないこともある)
ドイツ軍にとって、与えられた時間が10ターンという制限は正直、非常にきつい。
なので、この10ターンと設定がシナリオ作者によってとても絶妙に調整されていると 思える。
このようにターン数が短いシナリオは、ほとんどがあまり作戦や戦術を必要としない場合が多いのだが、それではとり上げた意味もないので、一応作戦を立てておこう。
イギリス軍がVHを守るとしたら、当然ここはうってつけの区画がある。
それが、マップの「ARNHEM」と記入されている道路の真下にある、道路Aと道路Bとに挟まれている三角地帯である。
ここはドイツ軍にとってもイギリス軍にとっても重要な場所であることは間違いない。
ここをD小隊、E小隊で奪取することにする。
そしてもう一つがこの三角地帯の右側にある建物。
この建物はH小隊が前進すると、すぐに敵 の攻撃を受ける建物です。
(実際にはなんと言う建物だったのか、手元に資料がなく分かりませんが、このような激戦地は砲撃でボロボロになったと思います)
ここはH小隊と増援で到着する予定のM小隊で攻略することにする。
【ブリンクマン司令部】
「少佐、4つの道路は全てイギリス軍により封鎖されています」
「うむ。 他の経路は当たってみたか」
できるだけ敵に見つかりにくい侵入ルートを探すことにした。
「少佐、あそこはどうでしょうか?」
あそことは、C小隊のいる場所の前方にある岸辺のことだった。
そこは湿地帯に なっている河の岸辺で、木が茂っていて身を隠しやすいが、泥沼になっていたり、水深の深いところもあるのでイギリス軍もここには部隊を置いていない可能性が高い。
早速、C2分隊にその付近の地形を偵察に行かせた。
(ゲームはまだ始まっておりません。 妄想です)
しばらくすると、偵察隊から報告が入った。
やはりこの辺一帯に敵の姿はないという ことだ。
「少佐、いけますが」
「いけるな」
何のこと だろうか。
しばらくして司令部にいた兵士に賄賂を渡し、何のことだったのか訊き出すことに成功した。
その内容はとんでもないものであった。
C小隊を湿地帯に進ませるのではなく、河へ出て渡河用ボートに乗りそのまま ア ルンヘム橋のたもとまで行き、VHを守る英軍部隊を背後から急襲、VHを奪取するというものだった。
確かにマップ に河がある場合、非装甲ユニットは使用するしまいに関係なく、全て渡河用ボートを装備しているので、ボートを使用して河を渡ることが可能だ。
しかも試しにやってみると、これが案外うまくいくことがわかった。
さすがはブリンクマン少佐だ。スターリングラード で冷飯を食ってきただけある。
だが・・しかし・・・攻略AARを書こうとする者が、こんな裏技を使っていいものだろうか。
どうする・・・そんなときだった。「2周年記念だ、正々堂々と戦え」という声が聞こえたのは。
ようし!やってやろうじゃねーか!
いよいよ始まりか?!
↑隠匿部隊が河を渡る作戦は中止となった が、実際やってみるのも楽しい。
司令部が急に慌しくなった。
ブリンクマンの部隊は規模の小さいカンプグルッペ(戦闘団)でもあるので、司令部と言えども前線で指揮をする。
作戦の開始と共にドイツ軍の81mm迫撃砲がアルンヘム橋のVHを守るイギリス軍の陣地に対して砲撃を始めた。
ただこの砲撃は事前照準されたものであり、敵に対する威嚇砲撃にしかならない。
(えーと、ただしこの砲撃は全然無駄な砲撃ではありません。
この事前照準の砲撃の結果いかんによっては、ゲーム最終盤に戦局を左右しかねることもあります w)
砲 兵部隊のG小隊の8門の迫撃砲から次々と砲弾が弧を描いて約1キロ先のアルンヘム橋目がけて飛んでいく。
建物から煙があがった。
その後を各小隊が前進を始めた。
慎重に1へクスづつ前進す る。
道路を進むのは危険なので建物から建物へと移動することにする。
だが移動力が余計に消費されるので、2へクス しか進めない。
そのときだった。
「BAGOOOM」
爆発音が轟いた。
地雷が爆発したのだ。
この地雷でC2分隊は一名を失った。
最後にA0司令部で砲撃要請を行う。
今回のような小規模部隊部隊の ドイツ軍には前線観測隊のFOユニットが登場しないことが多い。
そういう場合はA0司令部で砲撃要請を行うのがよい。
Bボタンで砲撃画面を開けG0をクリックする。
するとマップ上に赤枠が囲まれたへクスが示され、そのへクスをクリックしてやるか、砲撃要請の黄色いボタンを押してやる。
そうすると砲兵部隊は同じ照準で連続砲撃が行えるので、最速時間の0.1で砲撃が可能となる。
このシナリオでは ターン数が10ターンと短く、またドイツ軍にFOユニットがないのと、事前照準登録がないので、攻撃を受けて抑圧があがり砲撃できなくなったり、無線が途切れ たりすると、今度は新たに照準し直さなければならず、そうなると2.2〜2.3という時間がかかってしまい、迫撃砲の支援が不可欠なドイツ軍にはこれは厳しい展開になります。
なお今回は照準修正は行わず、再度同じ地点に砲撃を要請することにします。
<2ターン>予想通り、1ターンのイギリス軍の反撃はなし。
だが、 目と鼻の先にいることは確かなのでこのターンは交戦不可避であろう。
地雷を踏んだC2分隊の足元には20個もの地雷が埋設してあった。
(地雷アイコンは一つで10個)
問題はこの地雷へクスを後続の部隊がどうするかだ。
これだけの地雷が埋設されていれば、地雷を踏む確率は非常に高い。
なのでできるだけ避けていきたいのだが・・・
C2分隊は地雷を踏んで死傷者を出したにもかかわらず抑圧があがっていない。
さすがはSS部隊だ。よし!前進!
「DADADADADA」
今度は敵の機関銃に遭遇した。
すぐ目の前で塹壕の中から撃たれた。
1名死傷。
すぐさま煙幕を張りたいところだが、隣接していては意味はない。
気を取り直してその他の部隊を移動させる。
「DOGAAAAN」
また地雷を踏んだ。今度はC1分隊だ。
続けさまに前方から攻撃された。
一気に3名の死傷者をだす。しかも抑圧回復に失敗。
右翼の方でも敵に見つかった。
へクス(47、23)の建物にイギリス軍がいる ことがわかった。
敵を発見したら攻撃するか、煙幕を張るかの二通りの選択がある。
どちらが正解かというのは難しい。
煙幕ばかり張るよりも、時としては攻撃した方がいい結果がでる場合もある。
だが、まだ序盤だ。
ここは煙幕を張ることにしよう。mkmkmkmk
さて頭を悩ますのがスナイパーの使い方だ。
SPWW2は市街戦ではスナイパーはあまり役に立たない。(でしょ?)
なので前線に出してもしょうがないので、後方から錯乱目的で見つからないように移動させることにした。
そして忘れかけていたが、小隊の「Rally Hex」を設定しておくことにしよう。
これをしないと、ドイツ軍部隊は自動的に 東の方向(右側)に退却するので、退却した部隊はイギリス軍の視界を横切るため蜂の巣にされて全滅してしまいます。
最後に砲撃要請をする。今回は砲撃地点を修正する。
上が左翼、下が右翼です。
黄色○がイギリス軍。
PREFERENCES 設定で「FAST ARTILLERY」がオンになっていたので、オフにする。
(オンだと比較的まとまって弾着するが、オフだとばらつきがある)
英軍の攻撃でまた死傷者がでている。
攻撃されたのは前出の2部隊からだけで、他の部隊はひっそりと身を隠している。
まずは機関銃を取り除くことにする。
隣接しているC2分隊は抑圧があがり行動不能になっているので、道路の向かいのMG42部隊が攻撃を行う。引き続き後続のMG42部隊が移動直後の攻撃でクリティカルヒットとなり、一度に3名の敵をやっつけた。
「よし!」
後は地雷を踏んだC1分隊を移動させ、とどめの攻撃。ようやく機関銃部隊は壊滅した。
気になるのは行動不能におちいって いるC1分隊の回復に一度も成功しなかったこと。まだ始まったばかりなのに、それはないぜ。
それと機関銃で攻撃されると、SPWW2では目標となったへクスだけでなく、その周辺や後方にもその影響を及ぼすので(命中はしないが)、後方にいた部隊は一時的に抑圧があ がってしまい、移動できなくなってしまった。
それとは反対に、右翼の展開がよくない。
右翼の一番下のI小隊が敵の攻撃に巻き込まれ5名の死傷者がでた。しかも建物内にいる部隊は煙幕も張れずに敵に見つかったままだ。このままでは次の英軍の攻 撃では一方的に攻撃にさらされるだろう。だが敵の姿は見えない。(抑圧が上がりすぎて視認不能)
どうやらここを守る敵は、建物に身を隠さず、川岸に塹壕を掘って身をかくしているようだ。
そしてD小隊が三角地帯を守る敵と遭遇した。
捨て身の移動直後の攻撃にもかかわらず、敵の2部隊にダメージを与えた!
「少佐、左翼のSS部隊は奮闘しておりますが」
「問題は我が部隊の方だな」
と言いながらも、まだ 余裕の表情のブリンクマン少佐であった。
10ターンしかないので気が付けばもうゲーム中盤だ。
と、そのときだった。
「DOGAAAN」 「ZUDOOON」
イギリス軍の3インチ迫撃砲で砲撃をしてきたのだ。
ちなみに3インチ迫撃砲の3インチはドイツ軍の81mm迫撃砲と同じ口径である。
しかも敵の砲は我が迫撃砲部隊を照準としている。
「くそう!」
砲撃を行った迫撃砲から出た噴煙が目印になったのであろうか。
一発一発当たるなよという心境で敵の砲撃が終わるのを待つ。
抑圧があがるだけならいいのだが、砲を放棄して退却して しまうこともあるので、それは避けたい。
心配とは裏腹に今回の砲撃では抑圧が上がっただけだった。
右翼ではようやく最初の敵を排除することに成功したが、続けざまに建物に立て篭もるイギリス軍を発見、今度は道路に煙幕を張り視界を遮った。(下図)
左翼はB0中隊長が抑圧回復に失敗し置いてけぼりにされている。
中隊長が何をやっているのか、全く。
だがここは右翼と違ってまだ自由 に移動できるので、連携が取りやすい。
最初の機関銃部隊の後ろに新たな敵を発見したが、E小隊をC小隊の援護に向かわせ、この敵を排除に成功した。
しかし上図の黄色い○印に英軍が陣取っていて一斉射撃を浴びる。
ここは先ほど砲撃したはずなんだが、英軍は全ての部隊が「Dug in」状態(塹壕化)になっているので、砲撃があまり効果をもたらさない。
すかさず上図のように煙幕を張る。
市街戦では煙幕は歩兵の身を守る重要な武器だ。
最後に再び砲撃要請をする。
少しづつ要請地点を修正し、0.1から0.4で要請した。
ただし、あくまでも味方に当たるのを避けるため、 余裕を持たせて要請地点を定める。
<5ターン>「ううう・・」
ターン開始と同時に イギリス軍の4門の迫撃砲にドンピシャの砲撃を見せられた。
「見事だ・・」
一つは上図のほぼ中央の建物に、もう一つはその左の建物、残りの2つは迫撃砲部隊にと、 前回の砲撃が全て迫撃砲部隊を狙ったので、まさかこっちには要請してこないだろうと思っていたが甘かった。
このため自軍の部隊を一覧で見ると、恐ろしくも黄色だらけになっている。
しかも迫撃砲の1部隊が定位置にいない。
よく見ると、砲を持ったまま退却しているではないか!
日本兵かよ!
えらい!
砲撃の被害は甚大で、上図に見える煙幕を張ったD小隊は完全に沈黙してしまった。(3分隊が退却)
そのときだった。
「少佐、援軍が到着しました」
「そ、そうか!」
増援部隊と言っても、この大至急寄せ集めた兵士であり、わずか一個小隊でしかないが、それでも今この状況を考えたら心強い。
問題は歩兵を便乗させたこのトラックをどこに向かわせるかだ。
どこかに英軍が待ち伏せしている可能性もある(そういう情報が入ってきている)ので、あまり無理をしてトラックを近づけさせれない。
かといって、少しでも前線の近くで降車させなければ、援軍としての意味がない。
「増援部隊は右翼に回せ」
ブリンクマン少佐は矢継ぎ早にそう指示した。
トラックがUターンして司令部のある建物に向かった。
一方、孤高のスナイパーは増援部隊が無事到着するのを見届け、先ほどから見えているマップ北の噴煙を目指すことにした。
あそこにドイツ軍を痛めつけている迫撃砲部隊がいるに違いないからだ。
その他は回復作業に追われるターンとなった。
右翼のH小隊、I小隊、J小隊は抑圧が下がった。
左翼のB小隊、D小隊は下がったが依然移動はできない。
やることがない。
そのときだった。
C小隊のMG部隊とパンツァーファースト 部隊が突然、ボートを漕ぎ出したのが見えた。
どうやら「敵、迫撃砲を撃退せよ」とのブリンクマン少佐の指示らしい。
どうやらブリンクマン少佐も気づいていた。
敵の迫撃砲を片付けなければドイツ軍に勝ち目はないということを。
「少佐!C小隊が敵の 迫撃砲を一門壊滅させました」
上図の上の○の迫撃砲をC1分隊があっさりと片付けた。
砲兵部隊は攻撃を受けると本当に弱い。
左翼の動きはこれだけだ。
しかし右翼では 活発な動きがあった。
建物を陣地化しているイギリス軍だが、空挺部隊は確かに強い。しかし空挺部隊ではないライフル部隊もいくつか混じっている。
この部隊は比較的弱いことに気づいた。
弱いというのは、空挺部隊に比べて粘りがないのだ。
上図を見て説明しよう(こういうときだけ)
上の○印はI小隊が、下の○印はJ小隊が、まず銃撃戦で敵を数名倒し、その 後、移動し敵に隣接できる部隊が敵に接近し手榴弾で攻撃するという具合だ。
こういう風にお手本のような攻撃ができるとプレーヤーはどれだけ調子に乗ることだろう。
最後に再び照準修正を行いこのターンを終える。
なお敵の砲撃を受けて退却してしまったG1迫撃砲分隊は新たに照準を設定し直さないといけなく間に合わない可能性も あるので、一か八か北の方に見えている敵の迫撃砲に照準をした。
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