Steel Panthers World War 2 JAPANESE HQ
2014年の一発目です。
年末にユニットガイドで日本軍の37mm砲について書いているうちに、 37mm砲が活躍するシナリオがやりたくなりました。
37mm砲が活躍した戦闘自体、よく分かりませんが、 日中戦争の中国軍やノモンハン事件でのソ連軍なら間違いなく活躍したのでそのシナリオを探してみると、 ノモンハンを扱ったシナリオはこの74番しかありません。
そこでこのシナリオを久しぶりにプレイしてみることにしました。
以前、 プレイしたときは時代的背景があやふやだったためか、全然面白くなかったんですが、今回、 プレイしてみるとなんとこれがなかなかいいプレイバランスで面白いことに気付きました。
(こういうことってよくあります。気持ちの入り方の問題なんでしょうか)
シナリオタイトルの「Xalxyn Gol」は、「ハルヒーン・ゴル」と言い、これは日本では「ハルハ河」と呼ばれています。
このハルハ河をはさんで、 日本とソ連が戦った戦いが「ノモンハン事件」です。
<シナリオ背景> 月日:1939年5月 場所:満州国とモンゴル共和国の国境 ハルハ河 バトルタイプ:Soviet(Assault) vs Japan(Defend) ターン数:20 登場部隊 ソ連:詳細不明 モンゴル共和国:騎兵部隊 日 本:詳細不明 満州国:騎兵部隊 |
まず戦闘日時ですが、詳しい日付の記述がありません。
ノモンハンの戦いが行われたのは、 1939年5月11日〜9月16日です。
デザイナーノートには、一応、1939年5月とだけ記載がされています。
このシナリオはソ連軍・モンゴル軍がハルハ河を越えて日本軍・満州軍のいる陣地に攻めてくるという設定です。
大日本絵画出版の「ノモンハン戦車戦」という本がでており、この本には詳しい戦記が書いてあります。
この本を見ると、 5月にソ連軍がBT-5戦車を使ったということは書かれていませんでしたが、5月28日あたりの戦闘がこのシナリオの元ネタになったのではないかと思われます。
(その戦闘では、BT戦車ではなく装甲車が使われました)
今回のシナリオ74番は、史実のとおりに作成したというより、 こういう感じではなかったかといった半史実的シナリオなものということです。
ところで、 ノモンハン事件って何?っていうとこから説明しなければいけないですよね。
簡単に説明すると、1932年に日本が満州国を樹立して以来、日本・満州とソ連・モンゴル人民共和国は国境問題を巡って対立していました。
で、この国境を巡っての紛争が日本とソ連の戦争へとなっていきます。
内蒙古、 外蒙古などのモンゴル民族としての対立に関しては今回省略します。
(この辺は勉強不足ですいません)
<ソ連軍の戦力>それでは、ソ連軍の戦力を見てみましょう。
A0 司令部
B AOP 82mm迫撃砲(2)
C AOP
D 歩兵小隊
E 歩兵小隊
F〜M モンゴル軍騎兵中隊
N〜R BT-7 M1937(10) BT-a(2)
S 122mm Howitzer (2) 76.2mm Howitzer (3)
T Polikarpov I-15 (2)
分かりやすい戦力ですw
BT -7戦車が12輌もあります。
M1937型は45mm砲を装備した車輌ですが、BT- aは短砲身の76.2mm砲を 装備しています。
スピード(機動力)は17と文句はありませんが、 装甲が薄いのが最大の欠点です。
そしてこの戦車部隊に同伴する歩兵部隊がわずか2小隊しかいません。
BT戦車は「Carry Capacity」が6しかないので、歩兵部隊を搭乗させることはできません。
そして今回の目玉でもある「モンゴル軍騎兵」
ただしモンゴル軍はゲームでは登場しないため、ご覧のように赤い国旗になっています。
これはこのようにゲームで登場しないマイナー国家に使用します。
ただし、中身はソ連軍のコサック兵です。
コサック兵と騎兵の違いは武器の装備がコサック兵の方が重装備なことです。
これはコサック兵は「Lancers」というユニット区分になっており、 「Lancers」とは元々、「槍騎兵」と呼ばれるもので重装備だったことから、このような区分になっているものです。
(ゲームには槍を持った騎兵は登場しませんよー)
それと、 「Lancers」の方が、「Cavarly」よりも経験値が高い。
(Lancersは+15、Cavarlyは+5)
一応、このモンゴル軍騎兵部隊には「Tskirik Carvalry」という名前が付いています。
これはモンゴル部族の一つだと思います。
その他は、 砲兵部隊です。
122mm榴弾砲が2門、76.2mm榴弾砲が3門、そして82mm迫撃砲が2門
しかもAOP(FO)が2ユニットもいます。
かなり本格的な砲兵部隊です。
今回のシナリオは20ターンと短いですから、FOの任務も重要になってきます。
なるべく無駄なく砲撃を繋げていかなければなりません。
そして最後は航空機
今回は「Polikarpov I-15」(ポリカルポフ)
大戦中は旧式化したこともあり、1942年には退いています。
しかしノモンハンの戦いでは使用されました。
ポリカルポフ I-15は、7.62mm機銃と50kg爆弾を搭載していますが、 はっきり言ってあまり効果は期待できません。
<日本軍の戦力>ついでに日本軍も見ていきましょう。
ネタばれになるかって?
大丈夫です。
今回の日本軍は全てのユニットが「Dug in」状態を獲っていて、 そう簡単に見えませんから(涙)
A0 司令部
B 中隊長
C歩兵小隊
D 九四式37mm速射砲(3)
E 70mm迫撃砲
F 三年式機関銃 90mm迫撃砲
G〜I Burget Cavalry中隊
J 中島 Ki-27 (2) B5N (1)
K〜M 偵察部隊
戦力だけ見ると、 やばいです(汗)
肝心の歩兵部隊は、B中隊長とCの3分隊だけです。
ど、どうする・・
ただし歩兵部隊は3分隊しかいませんが、5cm擲弾筒を装備したサポート部隊が2分隊います。
この部隊の擲弾筒が実にいい仕事をしますw
そして九四式37mm速射砲。
この砲については、こちらを
ソ連戦車のほとんどは撃破されるでしょう。
しかもなかなか見つかりません。
たった1丁しかありませんが「Type 3 HMG」はモンゴル騎兵部隊の前進を食い止めるのには十分です。
(ほんと、この機関銃がなければ・・と思います)
そして日本軍に登場するのが満州軍の騎兵部隊です。
満州軍の騎兵部隊に関してはユニットガイドでも紹介しましたが、 「興安軍」と呼ばれるモンゴル人の騎兵です。
こちらは「Burget Cavalry」(バルガ族)と表記されていて、ソ連軍のモンゴル騎兵部隊の「Tskirik Cavarly」との対立は昔からあったようです。
その他、航空機は「Nakajima Ki-27」は「九七式戦闘機」、「Nakajima B5N」は「「九七式1号艦攻」
「九七式戦闘機」は50kg爆弾と7.7mm機銃
「九七式1号艦攻」は250kg爆弾のみ(攻撃は1度のみ)
(九七式1号艦攻がノモンハンに使用されたかどうかは考えないことにする)
最後は偵察部隊。
こ の部隊、「Scout」部隊とあるが、「対戦車地雷」を装備している恐ろしい部隊。
(日本軍でプレイするときには 活躍します)
<騎兵部隊の使い方>今回、騎兵が登場するシナリオということで、 「騎兵部隊」の運用について考えてみます。
騎兵といえば、 この方↓
ご存知、「日本騎兵の父」 と称される秋山好古
(耳がでかい!)
SPWW2では、ドイツ軍やソ連軍などいくつかの国には騎兵部隊があります。
また対戦やバトルモードで騎兵部隊を購入する場合、どういった使い道があるのか見てみましょう。
[長所]
機動力(移動力12)
水の中を移動可(1〜2)
[短所]
武器が貧弱
サイズが大きいため攻撃を受けやすい(命中しやすい)
抑圧があがりやすい
自動退却すると、 部隊が散り散りになってしまう
煙幕弾を装備していない
騎兵部隊は19世紀の戦場では、敵めがけて突撃する先鋒として常に英雄でした。
しかしWW1の頃になるとそういった突撃は無駄な血を流すだけの無用な戦術になりました。
WW2 では自動車化・機械化が進み、騎兵部隊は馬から装甲車へと乗り換えていきます。
それに伴い、 騎兵部隊の任務は偵察や捜索へと変わっていきました。
SPWW2でも基本的には騎兵は偵察および捜索でいいと思います。
「いやいや偵察任務なら、騎兵よりも装甲車の方が使いやすい」
と思われる方もおられるでしょう。
ですが東部戦線のドイツ軍では騎兵が活躍しました。
それは泥沼化した地形の中、車輌が侵入することができない地形などでは、 唯一馬のみが侵入できたからです。
(馬は燃料がいりませんしね)
なので車輌が入れない、入ると「Immobilized」を起こす危険性がある地形を偵察するときは騎兵部隊は力を発揮します。
また自軍の側面を防御させておくのもいい手だと思います。
余裕があれば、騎兵を戦闘の終盤まで温存しておくというのもあります。
そして最後に消耗した敵部隊を一気に叩きVHを奪う。
「かっこええわー」
要するに騎兵という駒は、最前線で戦わせるというよりは、プレーヤーの力量によって力を発揮する駒と言えるでしょう。
(未経験な指揮官の場合、敵めがけて突撃させておしまいというパターン)
また、 騎兵ユニットは基本的に馬に乗りながら戦闘をします。
「なんで馬から降りないんだよ!」
とお嘆きの貴兄もおられるでしょう。
そういう方には、「Dismounted Cavarly」という馬に乗車していない騎兵ユニットを購入するといいでしょう。
騎兵ユニットなので経験値・ 士気値は+5で、しかも装備も重装備です。
またこの部隊は購入時に、輸送用の馬を一緒に購入できることがあります。
その場合、馬に乗り移動し、そして戦闘時には馬から降りて戦えばいいのです。
<ソ連軍の戦術>それではソ連軍の戦術をみていきましょう。
マップ西にあるのはハルハ河。
その河を越えて草原地帯をソ連軍は前進します。
日本軍は丘のような丘陵地帯に陣地を構えています。
この丘はそんなに高い丘ではありませんが、この辺一帯は地形が凹凸になっていて守るには実にいい地形です。
ソ連軍の 初期配置は、戦車・歩兵部隊とモンゴル軍騎兵部隊の二手に分かれています。
セオリーとおりそのまま前進すれば、 上図のように戦車部隊は上、騎兵部隊は下のVHを目指すことにになるでしょう。
「いやだ!」と言われても、 これはシナリオプレイなので仕方のないことです。
問題はどう指揮官としてどう指揮をするかです。
まず、ゲーム開始と同時に煙幕弾の支援砲撃がありますが、これはその後の数ターンは続けた方がいいでしょう。
煙幕弾 の支援砲撃はとても重要です。
この煙幕支援をうまく使えるかどうかで、味方の被害は軽減されます。
騎兵部隊の前方は、少しずつ着弾地点を修正しながら煙幕を張ります。
そして騎兵部隊を無傷で最初のVHの手前まで移動させます。
もし日本軍の重機関銃に見つかったら、早めに砲撃で潰しておきたいところです。
出来ればこの機関銃陣地への攻撃に神経を集中させてもいいかもしれません。
煙幕弾の後の砲撃支援はどこに着弾させたらいいか分からないと思います。
「この辺に敵がいそうだな〜」
というところに 砲撃するしかありません。
これは実戦でも同じです。
「怪しいところは叩く!」
その怪しいところというのは地形から読みます。
モンゴル騎兵部隊 は最初のVH群を獲るまではうまくいきますが、それからが大変です。
ほぼ待ち伏せに近いような攻撃を受けます。
互角に戦えば、モンゴル軍の騎兵部隊の方が満州軍の騎兵部隊よりも強いですが、地形の利が満州軍の味方をします。
そのためゲーム中盤から終盤にかけて、モンゴル軍騎兵部隊は確実に消耗していくでしょう。
この消耗をどれだけ防ぐかが指揮官の腕の見せ所となります。
無謀な突撃を繰り返すだけではだめですって!
砲撃と航空機の支援がうまくいくかが鍵となってきます。
次に戦車部隊の方ですが、こちらはもっと苦戦が強いられます。
まして普段あまり使い慣れない「BT-5」戦車を指揮するわけですから。
この時代の戦車はどれも装甲が薄く砲弾が命中すると、一撃で撃破されます。
史実では日本軍の九十式37mm速射砲は、 このノモンハンでソ連軍の装甲車や軽戦車を何十輌も撃破しました。
「どこから撃たれた?」
戦車からではなかなか姿が見えません。
肝心の歩兵部隊は後からのそのそと歩いてきます。
この戦況を何とか持ちこたえ、3門ある対戦車砲を片付ければソ連軍に勝機は見えてきます。
うまくいけば、 戦車部隊が先に敵陣を突破できるでしょう。
そうなれば側面から騎兵部隊の援護に回れます。
どれだけの戦車が生き残っているかは分かりませんが・・
このシナリオはソ連軍には少し難易度が高いシナリオとなって います。
是非、Draw(引き分け)以上の勝利を収めてみてください。
<日本軍でのプレイ>このシナリオはソ連軍でも、日本軍でもプレイすることが可能です。
日本軍でプレイする場合、難易度が低くなります。
なので初心者の方は、日本軍でのプレイがお薦めです。
日本軍でプレイする場合は、引き分けは負けに等しいということ を念頭にプレイしてください。
僕も何度かプレイしましたが、勝てるときは完璧に勝てますが、 必ずしも勝てるとは限らないところがこのシナリオの面白さだと思い、日本軍でのプレイを紹介することにしました。
どんな不確定な要素が起きるかは、 皆さん自身で確かめてください。