Steel Panthers World War 2   JAPANESE  HQ


リハビリ編 第7弾 #216

(2024/1/13)

久々にゲームをしてみて、これはリハビリになったと思ったので取り上げることにしました。

シナリオ216番に収録されている「Totsugeki」(突撃)というタイトルのシナリオです。

まずは背景から。

1944年1月10日、ミャンマーのカンタウという場所で日本軍と中国軍とが戦います。

日本軍は第55歩兵連隊

第55歩兵連隊は佐賀県で誕生した部隊で、明治38年に編成された古い連隊です。

第18師団に配属され、1937年の支那事変、1941年のマレー作戦に参加しました。

1942年、ビルマ攻略のためにビルマ(現ミャンマー)に移転しました。

当時のビルマはイギリス領ビルマだったので、日本軍はイギリス、アメリカや中国、オーストラリア軍などの連合軍と戦いました。

中国軍は第38師団の第6野戦砲中隊。

ジャングルの中の砲兵陣地を日本軍が攻撃するシナリオです。

ボードゲームASL(アドバンスドスコードリーダー)からの移植シナリオで、ASL A60にあります。

対戦でもソロでもプレイ可能ですが、ちょっと問題があります。

というのは、

難しすぎる!!

中国軍でやると、それほど難しくはないんですが、日本軍で勝利するのはほぼ不可能です。

シナリオの紹介にも難易度が「Hard / Very Hard」と書かれています。

ここまで読んだ皆さまも一度プレイしてみてください。

なんじゃこりゃw

難易度ゲキ難

何度かやってみましたが、何度やってもVH1つも取れませんでした。

あかん、リハビリにしてはムズすぎや〜w

そもそも日本軍の戦力が中国軍よりも少ないんですね。

わずか1個中隊ほど

しかも14ターンしか時間がありません。

このシナリオ、ほんまにクソシナリオやなーとか思いながら何度かプレイしているうちに、あることをひらめきました。


リハビリ用に勝利条件を変更

中国軍でも数回やってみた結果、中国軍の部隊配置が分かってきました。

これを踏まえて、勝利条件をリハビリ用に変更してみました。

それが、こちら↓

21個全てのVHを取るのではなく、〇で囲った9つのVHのみを取ることを勝利条件にしてみました。

そして9つのVH群の中に中国軍の砲兵陣地が3つあるので、この砲兵も全て倒してください。

この9つを全て確保し、砲兵を全て破壊すると、ゲーム後の判定は「DRAW」(引き分け)と出ますが、これは気にしない気にしない。

今回はリハビリ編なので、勝ち負けよりもまずは楽しもうではありませんか。

その他の設定変更

このシナリオは、日本軍が中国軍の砲兵陣地を包囲、占領するというものです。

ブリーフィングには中国軍はジャングルの中で指揮統制が乱れ、バラバラになって戦ったとあります。

このことから、設定を少し変更することにしました。

[PREFERENCES]のP2の中国軍の[SEARCHING]を90%、[HITTING]を90%に下げました。

初心者は各80%まで下げてもいいと思います。

中国軍の戦力

中国軍に登場する3つの砲ですが、これは75mm山砲です。

これは日本軍の四一式山砲です。

実際に中国の国民革命軍は日中戦争が始まる前、日本からこの砲を大量に購入しました。

余談ですが元ネタのASLでは、米軍の75mm M1A1榴弾砲になっており、米軍により支援された砲であることが分かります。

この当時の中国軍は米軍からかなりの武器を支援されました。


塹壕に籠った相手とどう戦うか

日本軍の戦い方は正攻法です。

この5〜6へクス先に敵のいる塹壕があります。

多分、4ターン目で敵と接敵すると思われます。

中国軍は全ての部隊がタコつぼ(塹壕)に入って、防御態勢が取れています。

防御時の地形効果で書きましたが、歩兵は塹壕やタコつぼに入っていると、最高の防御効果を得ます

こういう状態の敵に対し、無謀な前進をすると、あっという間に損害を出してしまいます。

ここが今回のリハビリポイントです。

このような状況でどうやって戦えばいいのか?

一番いいのは支援砲撃で叩くことです。

しかしこのシナリオには日本軍には支援砲撃がありません。

これが指揮官として難しいところです。

日本兵の証言でジャングルで砲兵の支援砲撃など皆無だったというのを読んだことがあります。

逆にこういう戦場では兵士の練度や経験が必要になってくることでしょう。

方法の一つとして

煙幕を張る

というのがあります。

日本軍歩兵ならば、一つの分隊に3つは煙幕を携帯していますので、「X」ボタンを押して、クリックすれば煙幕を張ることができます。

一度、射線を切れば、回復できる確率も上がります。

ただしこれは複数の敵から攻撃を受けた場合や、味方に複数の損害が出た場合には有効ですが、毎回、敵に見つかったからと言って煙幕を張る必要はありません。

(煙幕を張る部隊の第一火器での射撃回数が最低1なければ煙幕は晴れません)

煙幕は敵からの視界を切りますが、味方からも視界が切れてしまいます。

わたしは最初のプレイで煙幕を張りました。

具体的にはへクス(10.7)にいる部隊です。

ここから工兵隊を接近させたかったからです。

こんなふうに煙幕を張りました。

(この画像は実際のプレイのものではありません)

ここに煙幕を張ることで一時的な気休めにはなりましたが、あまり効果的だとは思えませんでした。

プレイ後に気づいたのですが、中国軍は日本軍よりも士気値、回復力などが劣っています。

なので味方の損害を気にするより、相手にダメージを与える方が勝利に近づきます。

4ターンからしばらくは交戦状態となります。

どこかで一点突破できないかと思いながら、プレイすることでしょう。


6ターンはじめ

移動後の射撃は禁物です。

移動後の歩兵の射撃は命中率が悪いのでほとんど命中しないのと、再び反撃を喰らい損害を出すのを避けるためです。

この辺のことは教科書があるわけではないので、わたしの経験でしかありませんが、移動後は抑圧状況をよく見て判断した方がいいです。

移動→敵の攻撃を受ける→攻撃→再び敵の攻撃

移動は敵の命中率があがるため、不利な戦闘であることは間違いありません。

こういうところは実際の戦場ではどうなのだろうと研究が必要です。

さてさてこの勝利条件変更したシナリオは詰将棋的な面白さがあります。

どうしたら勝てるのか、お教えしましょう。

↑の画像を見ると、3つの分隊がマップの端を移動しているのが分かります。

この別動隊が鍵となります。

当然、敵に見つかりますが、この中国歩兵だけ武器がライフルと手榴弾のみの部隊です。

軽機関銃を装備していないので、攻撃力が弱いのです。

ここから側面、背後を突くことが可能となります。

最終15ターンの様子です。

9つのVHを確保、3つの砲を破壊できました。

中国軍がまだ残っていますが、これは相手にしなければ攻撃してきません。

何度もプレイしてみましたが、途中の経過は毎回異なります。

今回はマップの端から侵入させた3分隊がなんと、たった1分隊にやられました。

装備を甘くみていたのですが、何故かライフル弾が当たる当たる。

凄腕のスナイパーでもいたんでしょうかw

3分隊とも壊滅しました(汗

こういうことがあるので面白いゲームです。

かなり被害が出ましたが、結果はドロー

それなりに楽しめたのでオッケーとしましょう。