Steel Panthers World War 2 JAPANESE HQ
それではSPWW2というゲームについて少しだけご説明します。
Steel Panthers World War 2(略してSPWW2)というゲームは、ストラテジーゲームと呼ばれるウォー・シミレーションゲームです。
ストラテジーとは「戦略」とか「戦術」という意味ですが、要するに「戦術級ゲーム」ということです。
その昔(今から25年ぐらい前)、 ボードゲームが全盛期だった頃、当時は「戦略級ゲーム」 「作戦級ゲーム」「戦術級ゲーム」というような分類がされていました。
平成生まれの方には何のことやら分からないと思いますが、 SPWW2というゲームを知る上で、まずはそこからお話しましょう。
戦略級ゲームとは?
戦略家なんていうぐらいですから、それこそ大規模な部隊を動かします。
1 ターンが数週間〜数ヶ月
1へクスが数十〜数百キロ
ユニットの単位が1個師団〜1個軍団
こうなるともう国全体って感じですよね。
最近の戦略級 ゲームの代表作と言えば、PCゲームの「HoI」(ハーツ・オブ・アイアン)が有名だと思います。
「HoI」はプレイされた方も多 いのではないでしょうか。
ボードゲーム全盛の頃の戦略級ゲームと言えば、 AHの「第三帝国」でした。
戦略家としての気質がなかったのか、当時は全く手が出なかったゲームですw
作戦級ゲームとは?
その次が作戦級ゲーム。
これは戦略級よりも規模が小さくなります。
1ターンが半日〜1週間
1へクスが数キロ〜数十 キロ
ユニットの単位が1個大隊〜1個師団
作戦級というぐらいですから、軍団長とか軍司令官といった、 さながらロンメルとかマンシュタインになった気分です。
この作戦級ゲームは説明書も薄く、駒の数もそんなに多くないので、 プレイしやすく、なによりも実際の史実を再現するので、日本人向けだったような気がします。
SPWAWやSPWW2でいろんな人と触れ合いましたが、 日本人の多くの方が戦術級ゲームよりも作戦級ゲーム向きなんじゃないの?って思ったことが何度もありました。
なぜかというと、「詰め将棋」のように次の手、次の次の手を読むというような一人ゲームが好きな方がとても多かったからです。
そのような方は、 1ターンが終わったら次のターンはどうするかを通勤電車の中や仕事の休憩時間にメモ書きやプリントした紙を取り出してじっくり考えるのが好きという人。
実際の史実の戦闘記録と照らし合わせながら、「う〜ん、自分だったらこうしたかも」とか「もし〜だったら」のような仮想戦記が好きな人。
こういう人は本質的に戦術級ゲームよりも作戦級ゲームの方が向いているのかも知れません。
これもAHの「Dディ」 「スターリングラード攻防戦」「バルジの戦い」 「独ソ戦」・・・・
駒を切り離すのがもったいない思い出・・
ああ・・青春 時代がぁ・・・
戦術級ゲームとは?
そして最後に戦術級ゲーム。
1ターンは数秒〜数時間
1へクスは数m〜 数百m
ユニットの単位は1人〜1個中隊、戦車1輌
戦術級ゲームというぐらいですから作戦を立てる司令部の参謀というよりも、 小隊長とか中隊長、大きくても大隊長か師団長になって指揮をするといった感じです。
この戦術級ゲームの特徴は、なんといってもユニットの単位です。
ユニット1つが戦車1輌、航空機1機、あるいは兵士1人、 歩兵は分隊といった最小単位なので、戦闘も局所的なものが再現されてきます。
そのため戦術級ゲームの醍醐味はリアルな戦場での出来事を味わえるということです。
それ故に膨大な説明書を読み、ルールを覚えなくてはいけないという苦行が待ち受けていましたが・・
HJ「空戦マッハの戦い」というゲームは今でも記憶に残っているゲームです。
あんな分厚い説明書を授業中に何日もかけて読んでも、なかなか飛行機が前に進みませんでした(涙)
当時の僕はこのゲームで己の頭の限界を知りました(涙)
この戦術級ゲームはAHで言えば、「パンツァーリーダー」「パンツァーブリッツ」 「スコードリーダー」シリーズ・・・SPIや国産のゲームもたくさんありましたね〜
2000年になって一時は絶滅したかに思われましたが・・・最近はVASSALのおかげでまた甦りつつあります。
SPWAWに収録されているシナリオ #330〜332は、スコードリーダーのあの名作シナリオの#1〜3ですが、初めてSPWAWでこのシナリオをプレイしたときの感動が懐かしいものです。
それでは戦術級ゲームであるSPWW2はというと、
1ターンは約5分
1へクスは約50m
ユニットの単位は1人〜分隊もしくは車輌1輌
となっています。
これは「スコードリーダー」や 「ASL」とほぼ同じ設定です。
しかし「SL」「ASL」に比べれば、ルール自体も細かくなく追加ルールなどもありませんから、 「SL」「ASL」経験者であれば問題なくプレイできるでしょう。
ターンは1ターン5分なので、12ターンで1時間、 24ターンで2時間程度の戦闘ということですね。
実際にプレイしているときは、 この時間の感覚は全く気にしなくてもいいです。
厳密に5分の出来事の中に、これだけのことが同時に起こるはずはありませんから、いつもプレイしていて、
「これで5分はないよな〜」
と思ったりします。
むしろ、1ターン「30分」ぐらいのような感覚です。
ただし1へクスが50mというのは、常に頭に入れておくことが必要です。
敵との距離だとか、射撃距離等かなり重要になってくるからです。
ユニットですが、歩兵ユニットはスナイパーのような特殊な部隊を除いては、基本的には1つのユニットは分隊になっています。
「分隊とか小隊の軍隊用語がよくわからん!」
と思われることでしょう。
大丈夫です。
そういう僕自身も連隊とか旅団とかの規模はどれくらいかよく分からないですから(汗)
このゲームでは分隊、小隊、 中隊程度の規模までで十分です。
分隊というのは10〜12人で構成されており、分隊長が指揮をとります。
その分隊が3個集まってできたのが小隊で、指揮は小隊長です。
その小隊が3〜4個集まって中隊となります。
そして中隊をまとめるのが司令部(大隊長)です。
ただし各隊長や指揮官が独自にユニットとして存在しているわけではなく、各部隊に含まれています。(残念!)
階級はこのゲーム内では、
分隊長が伍長か軍曹、小隊長が少尉か中尉、中隊長が大尉、司令部(大隊長)が少佐か中佐
となります。
(戦車兵やドイツ親衛隊などは若干、階級が異なります)
それぞれ部隊を率いる指揮官には名前が付けられていて、 日本人は日本名になっています。
それぞれの指揮官は「士気値」 「経験値」「回復値」などに差があり、この数値が指揮能力となります。
それではSPWW2のシステムについて説明します。
そもそもターン制のゲームってどうやってやるの? ということから説明しなければいけません。
これは野球と同じだと考えてください。
野球は1回の表と裏にそれぞれ両チームが攻撃と守備をしますよね。
SPWW2もそれ全く同じです。
まず先攻者が自軍のユニットを
「移動」させ敵を見つけたら「攻撃」(するしないは自由)
ただし当たり前ですが敵に見つかれば反撃されます。
ユニットには全て「Suppresion」(抑圧)と呼ばれるそのユニットの精神状態を表す数値があり、 敵の攻撃を受けると、この抑圧数値が上昇します。
そうなればこの抑圧を下げなければいけません。
それが
「回復」(Rally)
です。
この回復作業はターン終了時に自動でも行ってくれますが、 戦闘中は自分で回復していく作業が必要になってきます。
次に臨機射撃という攻撃の説明です。
これは自軍ターンや敵のターンに、移動あるいは攻撃したユニットに対して行う射撃のことです。
SPWAWでは敵ターンのときに、自分で臨機射撃を操作 することが可能でしたが、 SPWW2は敵のターンの臨機射撃は全てAI任せになるため、ただ見ているだけで何もする必要はありません。
なので行うことは自軍ターンの 「移動」「攻撃」「回復」が基本です。
そして勝敗の決定ですが、戦争ゲームだからといって、 お互い殺しあうだけの殺戮ゲームではありません。
攻める側、守る側、どちらの場合でも、必ずマップ上にはVH (Victory Hex)(勝利へクス)と呼ばれるポイントが加算される地点が存在します。
要するにこのゲームの戦術とは、そのVHをどうやって確保するかということになります。
そして決められたターンが終了すると、 マップ上にあるVHの確保した分のポイントと、敵に与えたダメージポイントが合計され、それで勝敗が決まるということになります。
それでは次に基本的なルールである「移動」「攻撃」「回復」を説明しましょう。