Steel Panthers World War 2   JAPANESE  HQ

第4弾 262 「Pegasus Bridge」

長らくお待たせしました。

第4弾として予定していたものがありましたが、 どうにも手がつかず、先にこちらから手をつけることにしました。

今回はかなり有名どころの戦闘を取り上げることにしました。(大丈夫か)

<シナリオの背景>
月日:1944年6月6日(夜)
場所:フランス、ノルマンディー、カーン市の北東
バトルタイプ:イギリス (Assault) vs ドイツ(Defend)

登場部隊:
イギリス 第6(オックスフォードシャー& ;バッキンガムシャー軽歩兵連隊第2大隊D中隊、第7空挺大隊A中隊)

ドイツ  第711、716、352歩兵師団、第21機甲師団

日付を見ても分かるように、D-DAY、ノルマンディー上陸作戦の当日です。
ですが上陸シナリオではありません。

上陸に先立ち、上陸地点のドイツ軍の反撃を妨害、かく乱するために、空挺部隊による作戦が立てられました。

米軍は第82、101空挺師団が有名ですよね。

第101空挺師団は「バンド・オブ・ブラザーズ」で取り上げられましたし、 ゲームでも用いられるほど有名です。

第82空挺師団は映画「史上最大の作戦」にジョン・ウェインが中佐役で登場します。

「史上最大の作戦」には、イギリスの第6空挺師団も登場します。

この第6空挺師団の任務は「トンガ作戦」と呼ばれ、 これはカーン市北東5kmにあるベヌーヴィルのペガサス橋とホルサ橋の両橋を確保するのと、 メルヴィル陣地(砲台)の制圧・破壊が任務でした。

前者のペガサス橋・ホルサ橋は今回のシナリオ262番で、 後者のメルヴィル陣地はシナリオ353「Silence Merville Battery」で扱っています。


<イギリス軍の戦力>

イギリス軍の戦力を見てみましょう。

イギリス第6空挺師団のオックスフォードシャー&バッキンガムシャー軽歩兵連隊第2大隊のD中隊。

指揮を執るのはジョン・ハワード少佐です。

D中隊は、A0司令部ユニット(ハワード少佐)をはじめ、B小隊(中隊長)、C小隊、D小隊、E小隊、F小隊、G小隊、H小隊(工兵隊)です。

そしてこれらの小隊は全て、7機のグライダーで強行着陸を行います。

horsa

これがHorsa(ホーサ、ホルサ) グライダーです。
マーケットガーデン作戦にも使用されました。

実際は兵員25名前後ですが、 ゲームでは「Carry Capacity」は32となっています。

着陸は2ターンの初めに行われます。

そしてもう一つの第7空挺大隊のA中隊は、I小隊(中隊長)、J小隊、K小隊、L小隊で、 こちらはパラシュートを使って降下します。

dakotta

輸送機は 「Douglas C-47」です。通称「スカイトレイン」、イギリスでは「ダコタ」と呼ばれました。

こちらの落下傘降下は5ターンに行われます。

こちらは兵員28名、ゲームでも28です。

ちなみに先日、XC-2という自衛隊の次期輸送機を真下から目撃しましたが (岐阜基地へ帰還するところ)、このデカさにたまげました。

「うわ!うわ!なんだこれ!」

これは人類がUFOを間近で見るのとそんなに変わらないかもしれません。

<ドイツ軍の戦力>

初期配置のドイツ軍の戦力は守備隊のみで、しかも右側のホルサ橋は無防備、左側のペガサス橋にはトーチカは2つあるだけです。

ですが、10ターンと11ターンに増援が到着します。

その中には21機甲師団の4号戦車H型が4輌含まれてます。


<Airborne 空挺>

SPWW2 の空挺を説明しておきましょう。
普段はあまり使うことがないので、ご存知ない方もいるかもしれません。

空挺には2つあります。
一つは グライダーでの強行着陸、もう一つは輸送機からの落下傘降下 です。

【購入】

空挺は空挺部隊でなくても、輸送機・グライダーに搭乗 ・積載できるユニットであれば何でも降下させることができます。

ドイツ軍の輸送機 「Ju52」を例にとって見てみましょう。

ju52

Ju52はゲームではパラシュート専用輸送機として登場します。

上の画像でも分かるように、「Lift Capacity」が三桁になっていません。

なので車輌はもちろん、砲(軽迫撃砲も)も積むことはできません。

歩兵部隊各種、MG隊、FOなどはもちろん大丈夫です。

興味半分で試したところ、自転車部隊も大丈夫でした(汗)。

自転車に乗ったままパラシュートで降下するんでしょうか(笑)。

一方、騎兵は重量が重すぎ、オートバイ兵は車輌扱いなのかダメでした。

まあ普通に考えればあり得ませんが。

ちなみにJu52は「Lift Capacity」または「Carry Capacity」が20なので定員は20名です。

ではグライダーも見てみましょう。
ドイツ軍の大型グライダー「Gotha Go-242」です。

gotha

「Lift Capacity」を見てみると、221になっています。
「Lift Capacity」の数値が三桁の場合、三桁目(左側)の数値が1であれば、砲を積めます。また2であれば砲以外に車輌も積むことができます。

と言っても、2を持つユニットはグライダーか、車輌用揚陸艇(LCVP、Landing Barge)ぐらいしかありません。

三桁目以外の残り二桁は搭乗コストです。

ゴータは搭乗コストが21ですから、歩兵を21人載せるか、あるいは「Carry Cost」が21までの装甲車、軽戦車、車輌、砲を積むことができます。

各国には空挺部隊という専門の部隊があります。

この空挺部隊には輸送機やグライダーがセットでついてくるものがありますので、 別々に輸送機を購入する必要はありません。

ユニット名の横に[A]や[G]と書いてあるのがそうです。
([A]は輸送機付き、[G]はグライダー付き)

UNIT

[A][G]がない空挺部隊は輸送機・グライダーはありません。

ただし、「PREFERENCES」の「Air Sorties」の数値が0だったり、ランダムで0だと、グライダー・輸送機付きの空挺部隊は購入できませんので注意してください。

また「Air Sorties」の数値が1以上、即ち航空機が一機でも購入可能であれば、 輸送機・グライダー付きの空挺部隊を購入するときの輸送機・グライダーの数はいくつでも関係ありません。

(5でも10でも購入可能です)

ですが、[Misc]で輸送機・グライダーを別途購入する場合は、「Air Sorties」の数値以上の購入はできません。

【配置】

降下用に購入したユニットはDeploy(配置)画面で輸送機に搭乗させなければいけません。

先ほどの輸送機付き空挺部隊を購入したならば、「D」キーを押し「L」キーを押せば自動で搭乗してくれます。

輸送機・グライダーをバラバラで購入した場合は、 搭乗させる部隊を選択し、「L」キーを押した後、輸送機かグライダーをクリックすると、 搭乗します。

全て搭乗させたら、次に「B」キーを押し砲撃要請画面を出します。
そして、

spotter

このボタンを押します。

すると、
「BOMBERD」→「SPOTTERS」→「AIRBORNE」と画面が切り替わりますので、 「AIRBORNE」画面にします。

次にこのボタンを押します。

HIDDEN

HI

飛行機の侵入経路を指定します。

(侵入経路は着地地点にマーカーをつける前に行うこと)

またデフォルトのままだと、全て最短の2ターンの頭に降下しますので、 希望降下ターンがあれば、+ボタンを押してターンを変更する。

後は、爆撃要請と同じように、ユニットを選択し、着陸地点を指定し、決定ボタンを押します。

このときに注意することは、グライダーはどこでも着地できますが、 できる限り見通しのよい平地に着地することです。

100%指定した地点に着地する保障はありません。

もし森や川、建物が近くにあり、その地形に不時着してしまったら、どうなるかご想像ください。

【降下・着地】

パラシュートは輸送機から降下すると、「ポン」という音と共にパラシュートが開いているアイコンになります。

この降下中に敵に見つかれば当然攻撃されます。

しばらくすると元の歩兵のアイコンに戻るので、そうなれば降下が完了したということです。
(降下中に攻撃されれば、多分ここでも攻撃されるでしょう)

グライダーは着地すると、自動で降車しますが、グライダーのアイコンがでかすぎて、 部隊がグライダーの下に隠れていますので、きちんと確認してください。

なお、降下前・着陸前に敵の対空射撃を浴びると、 機体の抑圧があがり、指定した地点に降下・着陸できなくなる確率が高くなります。

<イギリス軍の戦い方>

史実ではハワード少佐率いるD中隊は、グライダーによる強行着陸は若干の負傷者は出ましたが、うまくいっています。

このシナリオでもグライダー着地地点が平原に設定してあります。

その上、真夜中(史実では0時過ぎ)で視界が6なので、あまり見つかることはないでしょう。

ただそれでも降下・強行着陸は運要素が強いので覚悟だけはしてください。

試しにやってみたところ、3機のグライダーが橋、森、河に不時着し、A0ユニットをはじめ3小隊が壊滅しました(涙)。 また無事着陸したうちの1機はトーチカの目の前で着陸し機関銃で兵士がなぎ倒されていきました。

こんな大惨事もあるわけです。

降下後は史実通り右のホルサ橋の5個のVH(200p×5)は 無償でイギリス軍が確保できるでしょう。

左のペガサス橋の7個のVH(400p×6、 200p×1)もトーチカに多少手間取りますが、ドイツ軍の援軍が到着するまでには確実に確保できると思います。

(このシナリオのVHは全部で15個です。これはペガサス橋の400pのVHは、200pのVHが2つづつ重ねてあるからです)

この後、残りの3つのVH(200p×3)をめぐってイギリス軍はいくつかの選択ができます。

1) 残りは無理をせず、ホルサ橋のVH(1000p)とペガサス橋のVH(2600p)の合わせて3600pを守る作戦

2) 「Cafe」の建物にあるVHを確保し、そこを防御陣地とする。

3) 全部獲りに行く

ベストなのは「Cafe」の建物と道路を挟んだ塹壕でドイツ軍の援軍を迎え撃つことだと思いますが、どうでしょうか。

<結末>

グライダーでの強行着陸とは裏腹に、第7空挺大隊A中隊のパラシュート部隊はバラバラになってしまいました。(シナリオでもバラバラになる)

そしてペガサス橋を渡り、6月6日のD-DAYは「Benouville」(ベヌーヴィル村)でドイツ軍と戦闘を続けます。

ここでA中隊は多くの兵士が死傷しましたが、援軍が来るまでベヌーヴィルを守り抜きました。

一方、シナリオ353番の舞台である「メルヴィル陣地」の砲台も爆破に成功しました。

こうして「コンガ作戦」は成功に終わりました。

ジョン・ハワード少佐は7月16日、殊勲賞(DSO)を授与されました。

そして二つの橋は「ホルサ橋」(グライダーの名前)と「ペガサス橋」改名され(以前は「ランヴィル橋」「ベヌーヴィル橋」だった)、 現在ここにはジョン・ハワードの銅像や、記念碑、博物館が建てられ観光地となっています。