Steel Panthers World War 2 JAPANESE HQ
第1弾はいかがだったでしょうか。
まさか第1弾でDVを取れずに第2弾に来たんじゃないでしょうね。
まあ、 いいでしょう。
今回のテーマは市街戦です。
第2弾でいきなり市街戦か! 思われることでしょう。
これはジャングルでも同じことが言えますが、視界の利かない場所では敵味方双方にとって、 非常に過酷な戦いが要求されます。
戦場において市街戦ほど難しい戦場はありません。
ですが難しい反面、 市街戦では様々な戦闘のノウハウを身につけることができます。
そのために今回は敢えて市街戦を選んでみました。
実はこのシナリオ「NKVD HQ Rostov」は僕のお気に入りのシナリオの一つです。
なので紹介するのがもったいなかった(攻略編で使おうと思ってた)のですが、 これほどいい材料もないだろうと思い取り上げました。
<シナリオの背景> 月日:1942年7月24日 正午 場所:ロストフの中心街 バトルタイプ:ドイツ(Assault) vs ソ連(Defend) 登場部隊: ド イツ軍 第22装甲師団と第66狙撃兵連隊第1中隊 ソ連軍 ロストフNKDV警備隊(エリート部隊) |
まずはシナリオの時代背景を見てみましょう。
1942年夏、ドイツ軍の夏季攻勢作戦「ブラウ(青)作戦」が開始された。
この作戦はソ連南部にある資源の確保を目的としたものであり、ドイツ南方軍集団がこの 作戦を任された。
作戦はA軍集団とB軍集団とに分かれ、A軍集団がロストフを皮切りにカフカースへ向かい、 黒海沿岸の油田地帯へと進撃する予定であった。
一方、B軍集団の行き先は、そう、 ご存知の通り出口のないスターリングラードの悲劇が待ち受けることになる。
ブラウ作戦は6月28日に始まった。
A 軍集団は天然要塞と化しているドン川河口の都市ロストフに向けて進撃した。
7月19日、ロストフ市を取り囲むように街の北と南から、 そして中心街へと攻撃が開始された。
だがロストフは 市中のあらゆるところにバリケード、鉄条網、対戦車壕、地雷が設置されており完全要塞化した市街での戦闘は激戦となった。
だがそれでもドイツ軍は7月23日にはロストフ市の中心部まで迫った。
しかし街の中心部には最も激しく抵抗するNKVDの司令部がある。
24日早朝、 最後の拠点である中央郵便局とNKVD(内務人民委員部)の司令部がある建物への攻撃が始まった。
これが このシナリオを背景の一部です。
詳しいことはパウルカレル著「バルバロッサ作戦」に書かれています。
後にスターリングラードでソ連軍は得意な市街戦を展開しますが、このロストフのソ連兵は筋金入りの泣く子もだまるNKVDですから、すごいのなんのって。
誰も降伏したり捕虜になったりなんていう考えは毛頭ありません。
(そりゃそうだ。味方を粛清するのが仕事なんだから)
文字通り死ぬまで戦いドイツ軍を苦しめました。
なお、ASLというボードゲームにはこのシナリオと同名のシナリオが「Anuual90」に収められています。
こちらも ロストフでの7月24日の戦闘ですが、こちらは第13装甲師団と第421歩兵師団の戦闘を描いたものです。
第13装甲師団も第22装甲師団も同日、同じ場所で共同でNKVDを相手に戦闘をしており、これらは細かい戦闘状況が残されていることで可能となったものでしょう。
[第66狙撃兵連隊の第1中隊]
司令部
工兵隊1個小隊
ライフル歩兵部隊2個小隊
III 号突撃砲D型 ×2 (75mm短身砲)
SdKfz251/2 ×2 (81mm迫撃砲搭載)
[第22装甲師団]
IV号F1型戦車 ×2 (CS-TANK:歩兵支援用戦車)
IV号のF1型は珍しい。E型とはほとんど変わりがない
という戦力だ。
まずこれを見て思うのは余裕の全くない戦力だ!ということです。
特に歩兵部隊は心細い。
なので4台の戦車が頼もしく見えてきます。
実際に市街戦では火砲の差は大きな影響をもたらします。
特に建物にこもる相手に対しては口径の大きい砲による支援が不可欠です。
なので戦車の支援は歩兵にとっても大きな存在でした。
(後にドイツ軍は市街戦用に大口径を砲をもつ「ブルムベア」や「シュトュムティーガー」などを生産する)
また上の戦力を見ても分かるように、 III号突撃砲は歩兵部隊の編成に入っており、突撃砲の乗員は戦車兵ではなく砲兵隊員だったそうです。
<市街戦の戦い方>市街戦に戦い方というものがあれば、こちらが教えてほしいぐらいです。
月並みのことですが、
・事前砲撃をして拠点らしき建物をつぶしておく
・歩兵を伴って戦車で前進をする。
・そして拠点を一つずつつぶしていく。
市街戦の戦いは守る方も攻める方も消耗戦だということを忘れてはいけません。
先に見つかるか先に見つけるかでプレーヤーの神経が次第に消耗していき、 また極めて慎重な操作と多少の運が勝利への鍵となるのです。
細かい操作とは具体的には、 抑圧を回復する作業(Rキー)で、どの部隊から先に抑圧を回復させるかということや、複数の部隊が攻撃可能な場合、どの部隊から攻撃するかとか、 煙幕の使い方、間接砲撃の照準と着弾修正、Z射撃の使い方、地形の掌握などそれはそれはいろんなことの集大成でもあります。
なので市街戦は面白いのであり、 また大変なのでもあります。
まあ一度に全て覚えるのではなく、やっていくうちに慣れ ていくので心配いりません。
<ドイツ軍の戦術>まずこのシナリオで最初にすることは81mm砲での支援要請です。
この部隊には専門のFOがいませんので、どのユニットで要請するのがいいか見てみましょう。
「SPWW2」 ではA0やB0の「0」のつく隊長しか要請ができません。
(注意:小隊長でも要請できない場合があり、砲兵部隊も要請できない場合もある)
どの部隊長が要請できるかを調べるときは、A0にして「B」を押し、次に「G」キーを押して「B」、また「G」を押して「B」と、 「G」キーを活用してやると小隊移動になるので、把握がしやすいかと思います。
ここではやはりA0司令部からの要請が一番早くできますね。
(遅延時間2.3)
ですが「遅延時間2.3」というのは、1ターン目に要請したとしても、3ターン目と4ターン目の2度にわたって著弾するということです。
(3ターン目は自軍ターンの終わりに4ターン目は自軍ターンの始めに着弾します)
ですから時間的に相当遅れて着弾しますので、 前進してきた部隊の鼻先に着弾するようなことにならないように気をつけなければいけません。
(初弾はよく誤差が生じ、弾着がばらつくことがありますので特に注意)
市街戦での砲撃要請は敵と交戦が始まってしまったら、 ピンポイントで敵を砲撃するという芸当は至難の業です。
味方に当たってしまう恐れがあるからです。
ソ連軍はそんなの承知で砲撃しましたが、戦場で味方を砲撃してしまったら、そりゃ後から歩兵に憎まれますよ。
もしピンポイントで砲撃をしたければ、 短い射程で口径の小さい迫撃砲で砲撃するのがよいでしょう。
さて戦術と言っておきながら、 戦術らしいことは何一つ書いてないことに気づきました。
ドイツ軍はソ連軍を制圧し後方に流れるドン川に到達するには、 ソ連軍の確保する8個のVHを奪わなければなりません。
そこで各小隊の目標を定めましょう。
これはゲームスタート時のソ連軍のVHです。
(ドイツ軍の2つのVHは省略)
幸いにして建物の中にあるVHは、 BとEだけですので、この2つ以外は道路上にあり戦車で確保可能です。
しかし戦車が単独で敵の後方に回り込むのは危険極まりないですし、 そういうのもどうかなあと思います。
ターン数が11と短いこともあり、ここは正攻法で行ってみるとしましょう。
ライフル歩兵部隊は「A」→「D」→「E」の順に進み、中央のEの ある建物を最終目標とします。またこの建物を占拠したら、あとは戦車に任せます。
第22装甲師団の戦車2台は 「C」→「F」あるいは「H」へ
III突は随時、歩兵と同伴し、「F」→「G」あるいは「H」へ
工兵隊は「B」→ 「E」あるいは「G」へ
工兵隊の目標である「B」の建物群は敵部隊が集結している恐れがあるため、「B」から「G」に行くのは無理をさせないほうがいい。
(ここだけの極秘情報ですが、ソ連軍は援軍が来るらしいとのことです)
作戦が立てられれば必ず到達地点(目標)が決め られます。
中隊や小隊はその目標の場所・拠点を入念に調べます。
そしてどうやってその目標を確保・占領するか打ち合わせがされます。
プレーヤーである皆さんも、シナリオを始めるときや対戦をするときに、 このような各部隊の目標を書いた作戦書を作成してみるのも面白いと思います。
普段プレイしていると、流れに流されてとにかくVHを取ることだけが目標のようにプレイしていることでしょう。
それでも面白いんですが、このゲームは派手なグラフィクがあるわけでもなく、 戦闘シーンがあるわけでもありません。
ですから戦場の雰囲気や臨場感は脳内で補わなくてはいけないと思っています。
このシナリオは一番後方の「H」のVHが取れれば完全な勝利です。
ちょっと難しいですが、挑戦してみてください。
では第3弾でお待ちしております。