Steel Panthers World War 2 JAPANESE HQ
月日:1943 年8月12日 場所:ハリコフ西 パブロボ村 バトルタイプ:ドイツ vs ソ連 (遭遇戦) 登場部隊: ド イツ軍: 第3SS装甲擲弾兵師団「トーテンコープフ」の 擲弾兵連隊「テオドール・アイケ」 ソ連軍: 第5親衛戦車軍 |
このシナリオは第1弾で紹介したシナリオ48番と同様、第3SS装甲擲弾兵師団「トーテンコープフ」を描いたもの です。
48番は8月11日ですが、これは8月12日であり、ともに第4次ハリコフ攻防戦を元にしたシナリオです。
ハ リコフ(ハルキウが一般的)は現在はキエフについで、ウクライナ第2の都市となっています。
人口は145万人。
ソ連時代は、 モスクワ、レニングラードにつぐ第3の工業都市で、機械工業、戦車生産、航空機、トラクターなどが盛んに作られた町であったことから、 ドイツ軍にとっても戦略の要点となりました。
また1943年3月、ドイツ軍が第3次ハリコフ攻防戦でマンシュタイン元帥によりソ連軍からハリコフを奪還し、 これにより突出部が出来たため、7月のクルスクの戦いへと駒を進めることができました。
クルスクでの戦いにより消耗したドイツ軍はその後、 ハリコフで戦車部隊を集結させ、ソ連軍を迎撃しようとします。
これが「Belgorod-Khar'kov Offensive Operation」(8月12日−8月23日)、 第4次ハリコフ攻防戦です。
第3SS装甲擲弾兵師団「トーテンコープフ」は第2SS装甲師団「ダス・ライヒ」と共に、ハリコフの北西を守りました。
そしてソ連軍の第5親衛戦車軍を迎え撃ったのです。
このシナリオで登場するトーテンコープフの部隊は、「テオドール・アイケ」連隊(SS Panzergrenadier Regiment 6 Theodore Eucke)と呼ばれ、トーテンコープフの生みの親とも言える「テオドール・アイケ」大将が由来です。
アイケ将軍は、兵士から「パパ」の愛称で親しまれましたが、1943年2月、偵察機で視察中に撃墜され戦死しました。
≪ドイツ軍の戦力≫「ダス・ライヒ」にはティーゲルをはじめ、パンテルなどの戦車が配備されましたが、この時期の「トーテンコープフ」にはそのような主力戦車があろうはずもなく、 このシナリオでもB小隊に4号G型戦車が2輌と3号突撃砲G型が3輌のみとなっています。
序盤はこの5台の戦車で戦わなければなりません。
そして増援部隊ではないのですが、後続の部隊がマップの東の道路上にいます。
これがH小隊とG小隊で、これも3号突撃砲G型が5輌となっています。
(1輌は対空砲車輌)
他には対戦車用地雷を装備した歩兵部隊が1個中隊。
救いなのは、戦車も歩兵もSS部隊であるため、 各分隊の士気値が高いことです。
歩兵部隊は回復能力が高く、戦車部隊は射撃回数や命中率に優れます。
≪3号突撃砲 VS T34/76≫では今回のシナリオのメインとなる戦車戦について見てみましょう。
ドイツ軍の3突G型とソ連軍のT34/76 43年型を比較してみます。
車体装甲力は・・正面だけならT34と同じですが、 側面・後部は半分の値となっています。
このSPWW2の車体の数値ですが、これはイコール「cm」 ではありません。
たとえば、 T34の正面の数値が「9」なので、「これは90mmなのか、はは〜ん、SPWW2はいい加減だな」 と勘違いされている方が日本には多いですが、SPWAWと違い、初めから装甲の厚さと傾斜角を計算してあります。
それがこの数値となっています。
詳しくは「装甲値」をご覧ください。
これで見ると、3突は正面の装甲値のみがT34と同等であるだけで、 その他は半分の数値です。
なので、3突を操作する場合、絶対に車体の正面以外を敵にさらさないということ!
これは生き残るために鉄則です。
しかし敵は正面からのみ来るとは限りませんし、しかも砲塔のない突撃砲ですので、 その点は不利です。
また主砲は
3突が 75mm StK40 L48
T34/76が 76.2mm L41 F-34
早速、 「AP Calculator」で見てみましょう。
ちょっと見にくいですが、 上が3突で、下がT34/76の主砲の貫通力です。
こうして見ると、やはり3突の75mm砲の方が威力がありますが、 装甲値の低さを考えると、どうでしょうか、ほぼ互角のような気がします。
ただこの数値はあくまでも基本的な数値です。 実際にこの数値どおりに敵を撃破できるかというと、命中箇所へのダメージや運にも左右されますので、参考程度にしておいてください。
そしてもう一つ考慮に入れておかなければいけないことは弾薬です。
ドイツ軍もソ連軍もSABOT弾(APCR弾)を装備しています。 これは実際には、戦場で貴重品であったため、全ての車輌に装備されることはありませんでしたが、ゲームではもちろん装備されています。
3 突には3発
T34/76には6発
これはシナリオをプレイしてみるとすぐに分かりますが、 3突はアッという間に貴重なAPCR弾を使い果たしてしまいます。それどころか、奮戦すると、35発のAP弾も全て使い切ることもあります。
プレイ中、1輌の3突が大活躍した際、AP弾を使いきったことがありました。
このシナリオをプレイして、3突の APCR弾での射撃は距離に関係なくほぼ確実にT34を撃破できます。ですがAP弾で距離20へクス(1000m)だと、 T34を撃破できる確立がグッと落ちます。
反対にT34の砲弾が3突に命中すれば、どの距離からでもほぼ即死です(涙)
ど の距離からと言いましたが、T34の射撃は20へクスではあまり命中しませんので、その点は怖くないんですが、10へクス内にいれてしまうとこれはやばい です。
≪ドイツ軍の戦術≫では、 ドイツ軍の戦術を見てみましょう。
初めてこのシナリオをプレイしたときやそのあと感じたことは、PAK(対戦車砲)の恐ろしさです。
今回もソ連軍の76.2mmが家屋の中に隠されています。
こいつが・・・ソ連軍の1ターン目に 火を噴きます(涙)。
運が悪ければ、あっという間に2〜3輌の戦車を失うでしょう。
さらに運が悪いと、M3 Stuartにもやられるでしょうw
(M3はスタビライザーが装備されているので、主砲の命中率がいいです)
こうなるとドイツ軍は最悪の状態です。
このシナリオの面白さはこういったところにあります。
つまりどっちが勝つか分からない面白さ。
なんせドイツ軍は序盤、5輌の戦車で敵の大群を食い止めなければなりませんから、 2〜3輌がやられれば、防戦必死です。
このPAKをどうやって沈黙させるか。
ヒントは「MG42」です。
そして頼みの後続部隊は、どんなに早くても5ターンにならないと到着しません。
橋が壊れているんです!
そのため小川を自力で渡るため、ここで時間が奪われます。
この戦局を左右する5輌の戦車をどこに移動させるか。
これもこのシナリオの面白いところというか、悩ましいところです。
その頃には、敵戦車はかなり接近してきているし、 北からも戦車がやってきます。
あと、歩兵部隊をどうするかですが、これも悩ましい。
D小隊とF小隊の使い方が難しいですね。
いずれにせよ、わずか12ターンしかありません。
VH目がけて突進してくる敵を食い止めるだけなら簡単なんですが、 その後、こちらからVHを取りにいかなけれならないのです。
「う〜ん、難しいな」
村は赤軍歩兵が守っていますので、うかつに突撃すると、簡単に撃退されてしまいます。
実はまだこのシナリオで勝利したことはありません(笑)
ゲームが終了して、燃え盛る両軍の戦車の残骸を見つめ、呆然とすることも何度か。
皆さんの手で、トーテンコープフのアイケ連隊を勝利に導いてください!!