Steel Panthers World War 2   JAPANESE  HQ

第16弾 #036 Goering Regiment at Uman

2016.01.11

久しぶりの中級編です。

今回から3つほどミニシナリオを紹介していきます。

さくっとプレイできて、かつ面白い(難しい)のがあればいいなあと思い選んでみました。

<シナリオ背景>
月日:1941年8月2日
場所:ウクライナ ウマーニ

バトルタイプ:ソ連(Assault) vs ドイツ(Defend)

ターン数:14
視界:7

登場部隊
ソ連:不明

ドイツ:守備隊は不明部隊
増援:第5SS装甲師団、第16ヘルマンゲーリング連隊

シナリオの舞台は1941年のウクライナで行われた「ウマーニの戦い」です。

1941年のウクライナと言えば、キエフ攻防戦ですよね。

キエフ攻防戦は1941年8月23日からですから、このウーマニの戦いはその一つ前に当たります。

戦史好きの皆さんならば、もうこの辺のことは当然ご存じのことでしょうw

ご存じでない方のために「ウマーニの戦い」について説明しておきましょう。

中央軍集団はスモレンスクを目指していましたが、南方軍集団はキエフを目指しました。

しかしここのソ連軍は精鋭部隊が揃っています。

そこで南方軍集団の司令官ルントシュテットは、このウマーニで包囲網を作り、ソ連軍を殲滅する作戦を立てました。

フォン・ライへナウ元帥の第6軍とフォン・シュチルプナーゲル将軍の第17軍が東に進軍し、東からはショーベルト大将の第11軍が、そこをクライストの第1装甲集団が南下し一機に包囲網を作り上げるというものでした。

第1装甲集団と言っても南方軍集団には機動部隊は、この一個装甲集団しかないのが現状で、保有車両は600輌でしたが、キエフを守るソ連軍には2400輌の戦車があったそうです。

しかもウクライナって、国土が日本の1.6倍くらいあるんですよね。

こんなところを攻めるのに戦車600輌って、どうなんでしょうか。

また、この作戦には後にスターリングラードの戦いでソ連軍にぼろぼろにされるルーマニア第3軍やハンガリー機動部隊も参加しています。

さてさて、このウマーニ包囲網(Uman Pockets)ですが、ソ連軍はこの包囲網の中に第6軍、第12軍、18軍が閉じ込められました。

シナリオはこの包囲網を突破しようとするソ連軍の夜襲が設定となっています。

元ネタはフランス・クロヴスキー著「ヘルマン・ゲーリング戦車師団」(大日本絵画)からなので、興味がある方は書店で立ち読みしてくださいw


<ドイツ軍の戦力>

ドイツ軍が宿営している村「Sverdlikovo」にはわずか1個中隊のみ。

しかも対戦車砲なし、支援砲撃なし。

「Panzerjager」という部隊は、「戦車猟兵」で、一応、対戦車用兵器を装備した部隊です。

しかし1941年のドイツ軍歩兵の対戦車兵器にはパンツァーファーストはありません。

この戦車猟兵が装備している武器は「Pnzerhndmine 3」と記名されています。

これは通称「Haft-Hohlladung 3」と呼ばれる「対戦車用吸着式地雷」というやつです。


もちろん射程は1なので隣接しなければいけません。

しかし「HEAT弾」なので貫通力は13、成功すれば撃破可能です。

わずか2部隊しかいませんが、この戦車猟兵が実はいい働きをしてくれます!

近接強襲攻撃でも抑圧が上がっていなければ、一発で仕留めてくれますよ〜

(敵に見つかるとすぐやられるけど)

残りの部隊は増援部隊ということになりますが、初めから地図上に配置されている増援部隊です。

この部隊を見ていきましょう。

ちょっと分かりにくいですね。

「RGG」とあるのが、「Regiment General Goering」のことで、これは「ヘルマン・ゲーリング連隊」

「5SS VIKING」は、お分かりですね、「第5SS装甲師団ヴィーキング」です。

この混合部隊のようです。

この「5SS VIKING」の部隊で1分隊のみですが、「Tellermine」という武器を装備しています。

これは対戦車地雷です。

東部戦線ではこの地雷を歩兵が装備して敵戦車に肉弾攻撃をしていました。

普通の地雷なのでそれほど破壊力はありません。

この有名な写真、懐かしいですね。

ヘルマン・ゲーリング連隊は大戦初期は防空任務をしていて、高射砲連隊などがありました。

そのため今回も20mm Fla付きの「SdKfz 10」が登場します。


このシナリオで面白いと思ったのは、この車輌の使い道ですね。

合計6輌もあります。

武器の「2cm FlaK38」はAP弾は10発しかありませんが、代わりにHE弾が120発もあります。


この砲で歩兵を攻撃するとかなり威力があります。

ただし非装甲車輌なので装甲がないのが悲しい。

歩兵から攻撃を受けるだけで撃破されてしまいます(涙)

なので「2cm FlaK」の射程距離(30へクス)をうまく使いながら、なるべく歩兵から攻撃されない、されても当たらない距離、12へクス以上は離れて攻撃するのがいいと思います。

対歩兵ならば、敵歩兵の足止めぐらいのつもりがいいかもしれません。

もう一つは、敵戦車との一騎打ち。

かなり難易度が高いですが、登場するソ連戦車は装甲の薄い戦車もいますので、撃破できないこともありません。

私は始めは索敵目的で使用し、その後は歩兵支援をさせました。

(半分はやられてしまいますが)

<ソ連軍の戦力>

ソ連軍は歩兵が3個中隊、戦車6輌、火砲(76.2mm、152mm、カチューシャBM-13)

戦車は、BT-8、BT-7、BT-5a、T-35

T-35は巨大な多砲塔の戦車。

この他に増援部隊に歩兵2個小隊と76.2mm歩兵砲

今回はソ連軍をプレイする気は全くないので、詳しく書きません。


<ドイツ軍の戦略>

ドイツ軍は14ターンで合計10個のVHを守ります。

ドイツ軍の増援部隊の歩兵はどんなに早く移動させても線路を超えて村に入るにのは7ターンかかります。

それまでは村にいる守備隊のみで戦わなければなりません。

しかしシナリオ設定が夜襲となっているせいでしょうか、守備隊の初期配置の位置がよくありません。

この配置では隣接した敵しか攻撃できませんので、移動した方がよさそうです。

私はどちらかというと、攻めるよりも守る方が好きなんですが、こういう初めから正解の用意がされてないシナリオは面白いですね。

地形を見ながら、敵を待ち伏せできそうな場所を探します。

先ほど、今回は設定が夜襲だと言いましたが、それは視界(Visivility)が7だからです。

(視界7へクス(約350m)、これは完全に夜しかありません)

守備隊を敵を待ち伏せできそうな場所に移動させなければなりませんが、開始早々、ソ連軍の砲撃が村に降り注ぎます。

これさえなければもう少しなんとかなるんですが、ゲーム中(特に後半)、ずっと降り注ぐ砲撃がソ連軍にとってはかなり正確な砲撃で、ゲーム後半にまともにくらうと致命傷になったりします。

序盤の戦いのポイントの一つは「B0中隊長」だと思います。

初期配置のB0中隊長とB1ユニットの位置だけ、他の部隊と離れて西に配置されていますよね。

(画像の上のユニットがB0、下がB1)

B1ユニットは5cm迫撃砲の重装備ユニットで近接戦は不利なので、このユニットは後方の視界の開けたところに移動させます。

逆に中隊長ユニットですが、中隊長も後方に移動させた方がいいのですが、敵の索敵もあるので、この建物に残します。

具体的には(52、47)の建物から道路が見渡せる場所です。

ここに配置させた中隊長が孤軍奮闘し、次から次へと押しよけるソ連軍を撃退させました。

「さすがは中隊長殿!」と部下からの尊敬を受けたことでしょう。

(やられるときはあっさりやられますが・・)

さて戦況は次第に村に流れる川を挟んだ戦いとなってきます。

そしてもう一つのポイントは、

村の南にある大きな建物にあるVH。

このVHは絶対守りたいVHです。

ここを守る部隊は初期配置ではD3分隊のみ。

ですが、このD3分隊のいる場所からは視界が良く、ここから多くのソ連歩兵部隊を足止めにできます。

しかし所詮、1分隊では敵の集中砲火を浴びてしまいます。

それで私はその上の建物にいるD1分隊をこの建物に移動させることにしました。

D1分隊の初期配置は全く視界の効かない場所であり、ここにいる意味は全くないからです。

またD1分隊の横にいるD0小隊長の位置も視界が効きませんが、こちらはD2分隊のカバーをさせることにしました。

そのD2分隊のいる場所も非常に視界の効いたいい場所で、ここも重要になってきます。

それでもいつかはソ連軍の戦車は突破してくることでしょう。

そのときは必殺の近接強襲ですが、どの部隊も対戦車用武器を装備していないので、期待は半分ぐらいにしておきましょう。

(近接強襲は抑圧が上がっていると逆に失敗する確率が高くなります)

私はもし突破されたときのために「戦車猟兵隊」を1部隊、後方のVH付近に待機させておきました。

その策がずばり当たり、見事に戦車を撃破したときは思わず声を上げてしまいましたw

8ターン以降、増援部隊が次第に線路を超えて村に入ってきます。

そうなると、あとは総力戦です。

何度かプレイしてみて、これがベストの守備位置だと思いきや、それが全然違ったり、サプライズなことがあったりと私自身は楽しめました。

特にソ連軍の戦車がどこに現れるかは予想できないところや、ユニットの操作一つで戦況が変わったりするので、是非、一度プレイしてみてください。

<超高難易度のプレイ>

これは超難易度の高い設定です。

ドイツ軍の増援部隊を全く使わずに、守備隊だけでプレイしてみてください。

実は私が最初にプレイしたとき、増援部隊がいることをすっかり忘れていて守備隊だけでプレイして負けましたが、これが結構面白かったのでお薦めします。

(その後、何度か挑戦してみましたが、どうやら勝つのは無理っぽいですが、引き分けにはすることができました)

<最後に>

史実ではウマーニポケット(包囲網)は、ドイツ軍の勝利に終わりました。

ドイツ軍は包囲網を完成させ、ソ連軍の第6軍と第12軍の指揮官は投降しました。

これにより、ドイツ軍は10万人のソ連兵を捕虜にしました。

ですが、多くのソ連兵は包囲網が閉じる前に脱出していていたので、10万という数字は少ない数字だったそうです。

この後、両軍は「キエフの戦い」に突入します。

キエフでは60万のソ連兵を捕虜にしましたが、ドイツ軍も10万人を消耗してしまい、これがスターリングラードの敗戦へとつながっていきました。