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処方箋 書籍編 [1]

砂漠のキツネ (パウル・カレル 1969年発行)


書籍の紹介の先陣はやはりパウル・カレルとなります。

現在、入手可能なのは中央公論社から出版されたものですが、最初は1969年にフジ出版社から出版されましたが、こちらは現在は古本屋でもなかなか見かない貴重本です。

懐かしいですね、フジ出版社。

どれだけ本屋を回って探したことか。

今のようにネットで本が買えなかった頃、フジ出版社の本は取り扱っている本屋が少なく、見つけたときは心躍りました。

パウル・カレルの中でわたしが初めて買ったのがフジ出版社の「砂漠のキツネ」でした。

この本は子供だった自分には高価でずっと宝物でした。

もちろん今でも大切に保管してあります。

今の若い方はパウル・カレルを知らない人も多いのかもしれませんが、昔の戦記好きはパウル・カレルは知ってて当然でした。

それほどの存在です。

なのでパウル・カレルは外せません。

お薦め度:★★★★★


彼らは来た (パウル・カレル 1972年発行)


パウル・カレルが続きます。

「砂漠のキツネ」の次に買ったのが「彼らは来た」です。

こちらも現在は中央公論社からの出版ですが、昔はフジ出版社でした。

フジ出版社からは1972年に発売されているそうですが、わたしの手元にあるものは、1984年の新装版です。

この本は当時、流行っていたボードゲームをプレイするのに大変役に立ちました。

エポック社から発売された「史上最大の作戦」というボードゲームです。


パウル・カレルはドイツ人なので、ドイツ側から少し都合よく書いていますが、こういうのを読んで育ったせいか、今でもドイツ寄りなのは仕方ありませんね。

お薦め度:★★★★★


バルバロッサ作戦 (パウル・カレル 1971年 )




パウル・カレルの独ソ戦史です。

1998年に学研から単行本として発売されましたが、この本も1971年にフジ出版社から発売されていました。

ただわたしの手元にあるのは、↑の画像の文庫本で、昔買ったものは紛失してしまいました(涙

現在、入手がしやすいのは文庫本ですが、「上」「中」「下」の三冊からなっていて、やはり中古本でしか手に入りません。

またパウルカレルの独ソ戦史は「バルバロッサ作戦」と「焦土作戦」の二部構成となっています。

「バルバロッサ作戦」は1941年からスターリングラードの戦いまでを描いています。

この本で独ソ戦を学んだという人は本当に多いと思います。

わたしは机のすぐ横に置き、いつでも読めるようにしています。

お薦め度:★★★★★


焦土作戦  (パウル・カレル 1972年)




パウル・カレルの紹介もこれで最後です。

こちらも現在は学研で発売になった文庫本が中古でお求めやすくなっています。

こちらも1972年にフジ出版社から発売になりました。

わたしはフジ出版社の方を持っていましたが、「バルバロッサ作戦」同様、大学の部室に置きっぱなしにして紛失してしまい、現在は文庫本の方しかありません。

内容は1943年のクルスクの戦いから1944年7月ぐらいまでとなっています。

パウル・カレルはこの続編であり、完結編の「ベルリンの戦い」を執筆中に亡くなりましたので、完結編はありません。

いつもパウル・カレルの本を読むと、ゲームがやりたくなったり、シナリオガイドが書きたくなります。

お薦め度:★★★★★


パンツァーフォー  (カール・アルマン 1988年)

こちらも古い本で、現在では古本でしか入手できません。

大日本絵画から出版されていますが、昔は「大日本絵画」と言えば、戦記本でした。

本当に素晴らしい本が数多く出版されました。

著者のカールアルマン氏は元ドイツ軍の従軍記者であったため、戦場を自分の目で見て来たような語りになっていて、何度読んでも引き込まれます。

わたしの愛読書の一冊です。

臨場感のある戦記が書きたいと思って随分になりますが、そのきっかけがこの本だったかもしれません。

それくらい素晴らしい一冊です。

お薦め度:★★★★★


擲弾兵 (クルト・マイヤー 1976年)

説明するまでもなく素晴らしい一冊。

著者クルト・マイヤーは本当の武装親衛隊の将兵でパンツァー・マイヤーというあだ名で活躍した人物。

米軍の捕虜となり、9年の服役後に書かれたもので、記憶も鮮明でよくこんな細かいことまで覚えているなと感心してしまいます。

わたしの手元にあるのはフジ出版社から1984年発行された新装版です。

これも大事に保管しています。

現在は学研で発行されたものが古本でのみ購入できるようです。

今でもところどころ読むことはありますが、「ああ、ドイツの軍人は違うな」という気にさせます。

カーンの攻防やファレーズでの包囲戦は資料的にも読む価値があるとわたしは思います。

お薦め度:★★★★★



ティーガー「虎」の伝説 1942〜1945 (エゴン・クライネ / フォルクマール・キューン 1991年)




ティーガー戦車の歴史が全て分かる一冊。

上下巻に分かれていて、各巻3000円もします。

海外の戦記本はどれも高いですね〜

でもそれだけ資料的な価値はあります。

わたしはティーガー戦車が出てくるシナリオをするときは、必ずこの本に目を通します。

ある程度知識があって戦記本が好きな人にはお薦めですが、ちょっと敷居は高めです。

お薦め度:★★★★


ティーガー戦車隊 (オットー・カリウス 1995年)



皆さんご存知の第502重戦車大隊のパンツァーエースだったオットー・カリウス氏が著者です。

英語のタイトルが「Tiger in the Mud」(泥の中の虎)

これはコミック編で紹介した宮崎駿監督の「泥まみれの虎」のことです。

この本と一緒に読むと一層理解が深まります。

当時、若干21歳だったというのを踏まえて読むと本当に驚嘆します。

寅年ということなので是非。

お薦め度:★★★★


クルスクの戦い1943:独ソ「史上最大の戦車戦」の実相

(デニス・ショウォルター 2015年白水社)

クルスクの戦いについてまとまった本が数冊あります。

まずこちらはデニス・ショウォルターというアメリカの歴史学の教授が2013年に書いた本。

日本語版は2015年に白水社から出版されています。

こちらはまだ新品も手に入ります。

今回、クルスクのキャンペーンを書くために購入しました。

もう少し詳細な記録が書かれていればよかったのですが、全体的に可も不可もない感じです。

お薦め度:★★



クルスクの戦い1943 (ローマン・テッペル 2020年中央公論新社)

2020年に発売された新しい本です。

大きな書店にいくと必ず置いてありますので、立ち読みをしてもいいですが、購入した方がもっといいです。

著者のローマン・テッペル氏はまだ45歳と若く、クルスクの研究をしている人です。

史上最大の戦車戦となったとされるプロホロフカの戦車戦は後世の捏造ではないかと言われてきましたが、それを裏付けるための一冊です。

読む視点は人それぞれなので一概には言えませんが、私にはいろんな意味でとても参考になる一冊でした。

お薦め度:★★★★